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2004年4月16日 (金)

組織人 嬉しかったこと(新オフィス編)

日差しが強くなり、桜咲くこの美しい季節に、グロービスの東京本社は、新しいオフィスに引越した。新築のビルで、前回のオフィスの約2倍の大きさである。250坪あるフロアを5フロア借りている。本日の引越しに際して、胡蝶蘭や鉢植え等、数多く届けられた。新しいオフィスに華を添えている感じである。

簡単にフロアを説明しよう。1階には、180名収容可能なホールとラウンジがある。天井の高さは4メートルもあり、圧巻である。その(天井の)一部をくり貫いて、2階まで伸びる内階段をつくった。2階には、6つの教室と3つの勉強会室がある。受講生が学んでいる姿が目に浮かぶようである。3階の一部には、受講生用のライブラリーと講師用のスペースを設けた。3階から5階までは、執務スペースで、こちらも同様に内階段を作り自由に行き来できるようにした。4階には、‘マグネットスペース‘として、社員がコーヒーを飲んだり、雑誌を読んだりできるスペースをつくった。

5階には、僕がいるベンチャーキャピタル部門がある。本日付けで対外呼称もエイパックス・グロービス・パートナーズ(AGP)からグロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)に変更となった。いよいよ独立したファンドとして、歩み始めることになる。

オフィス全体にいえる事だが、窓が広く、明るい日差しが入っきて気持ちがいい。その窓の外を眺めると、眩い程の桜の花が目に飛び込んでくる。ビル前の邸宅にある桜の花が、あたかもこのオフィスの「借景」のように写るのである。当初は、ここまできれいだとは予想していなかったので、とても嬉しい。

ITもかなり活用した。全スペースを無線LAN対応にしたので、社員は無線LANを使って全スペースのどこでも情報利用できるようになる。受講生もラウンジやライブラリで自由にインターネットにアクセスできる。オフィス内は、全てIP電話である。名古屋・大阪・海外とも会議が出来るよう全てのフロアにテレビ会議システムを導入した。カードセキュリティを導入し、最新のITを駆使したオフィス・キャンパス環境になっている。

ただ、変わらないもある。それは、社長室もパーティションも無く、派遣社員からマネジング・ディレクターまで同じ大きさの椅子とデスクに座っていることである。インテルの友人にも聞いたが、どうやらインテルも同様らしい。さらに、オープンな環境も変わらない。オフィス内に、内階段をつくり、社員が集まる場所をつくり、そこにドリンクなどが自由にできる環境を設けた。これは、ブルームバーグ社のオフィスを見学させて頂いた際に、参考にさせてもらったのだ。ブルームバーグ社でもオープンな環境とフラットな企業文化というのを重要視していた。

ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)のケースで読んだのだが、クリエイティブな会社が、フロアが2つに分かれた瞬間に違う組織文化が生まれ、クリエイティビティを失ってしまった事例があるようだ。そのケースのようにならないよう、オープンな雰囲気をつくることに苦心してきた。

僕は、それらのこだわりを、ある程度徹底するために、「事務所環境整備ガイドライン」として、数年前より書面にまとめている。その中には、以下の記載がある。

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オフィスの環境の善し悪しが、スタッフに心理的な影響を及ぼし、グロービスにとって最も大切なクリエイティブな企業文化、更には労働生産性を左右すると思われ得る。従い、心地良い環境を整えるべく、最低限のガイドラインをもうけ、皆で明るく、楽しく、仕事に励める環境を創るべく努力したいと思う。

1.基本方針: 1) 光、空気、人が自由に流れるオープンな環境とする。従い、パーティションや個室などは極力導入しない。

2) 緑、ガラス、木目、絵などを使い、色を少なくして、シンプルで分かり易いレイアウト・基調とする。
(以下省略)
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風水ではないが、どこにも淀みが生まれず、自由に、光、空気と人が流れるオープンな環境が理想と考えている。その理想を実現すべくさまざまな試行錯誤を、今回のオフィスでも行った。特に苦労したのは、天井をくり抜くことに対する不動産会社との交渉だ。どうも消防法の関係で、各フロアの内階段の出入り口に自動的に降りるシャッターを入れる必要があったのだ。その分、コストアップになるし、当然原状回復にもお金がかかることが予想される。それでも、僕は、こだわりを押し通した。

本日の午後、四半期に1回行われる全社員ミーティングで、以下述べさせてもらった。

「創業当初、三軒茶屋のアパートの1室から麹町の20坪のオフィスに移ったとき、ものすごく広く感じてとても嬉しかった。その4年後に今度は、1フロア75坪の新築オフィスに移転したときも、出世した気持ちがあった。その後ミレニアムを迎えた2000年1月にも事務所スペースを倍増した。それから早くも4年3ヶ月が経過した。今回のビルは、グロービスが成し遂げてきたものに相応しい格式があると思う。この新オフィスを思う存分有効活用して、次のステップに向かって進んでいきたいと思う」。

このコラムの読者が番町・麹町にお越しの際には、是非お立ち寄りください。新宿通りから日テレ通りに入って坂を上がった左側の黒い新築のビルです。(^^)

2004年4月5日
自宅にて

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コメント(2)

  • 堀さんの軌跡を思うと共に、これからの決意も感じ取りました。堀さんの思い(理念)を共有できた仲間がいた、だから、ここまで歩んでこれた、とても Impressive です。自分の受けた感動を、何かの形で表現したかった、未来への期待も込めて。

    経営理念が根幹
    顧客の言葉で語ろう
    相手に理解してもらおう

    GMSで改めて実感したことです。毎回のクラスで、新たな気づきがあり、学びがあり、感動もあり、私にとっては、新たな人生を歩んでいる思いがあります。
    そんな中での、事務所の移転は発展であり(Going Concern の体現)、とても嬉しいことです。こんな時は、やはりお祝いしかありません。
    Angelにはなれそうもありませんが、GMSの良さを回りに伝え、GMSのファンになってもらう一助はできるかなぁと考えています。

    ※こちらはGMS受講生の方からお寄せいただいたメッセージです。

    投稿者:

  • コメントありがとうございます。m(__)m
    そして、とても素晴らしいお言葉ありがとうございます。
    今後ともグロービスをよろしくお願いします。m(__)m 

    投稿者: 堀義人

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