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2004年11月18日 (木)

組織人 アジアのベンチャーキャピタルの会合(その1)

3週間の世界一周出張から帰国し、中5日で再度出張に出ている。今回の目的地は地図を垂直に下がったアジアの2カ国、シンガポールと香港である。

米国から帰国後、アジア出張までの5日間は、超多忙であった。時差ぼけや旅の疲れを癒す間もなく家族、仕事でバタバタしていた。土曜日に家族での外出後、グロービスの全社員が参加するリトリート(研修合宿)の第1陣を日、月の2日間で行った。東京に戻った月曜日の夜にスピーチをして、翌日の火曜日にもスピーチをこなした。

文化の日の11月3日(水)には、次男の七五三だった。今まで仕事ではそれほど疲れが出なかったのだが、快晴で且つ大安の祝日である七五三では、さすがに疲れが見えてきた。2年前、長男の七五三の時にも着物を着たので、今回もその慣例を踏襲することになった。。明治神宮は、どこもかしこも混雑していた。それらが余計疲れを増幅させたのであろうか、体が重くなってきた。祖父母の4名も加わり、三世代が一同に会した昼食会では、少し意識が朦朧としていた。

その翌日、11月4日(木)夕方のフライトで、シンガポールに向けて出発する予定であった。家族が寝静まった中、パッキングを始めた。当日は15時過ぎまでミーティングがぎっしりと詰まっていた。終わり次第、成田エクスプレスに乗り、成田空港からシンガポールに向かった。シンガポールのチャンギ空港に到着したのは、現地時間の深夜0時を過ぎていた。タクシーでホテルに向かった。都心への道路は、椰子の街路樹が整然と並んでいて美しい。約1年ぶりのシンガポールであった。

今回の出張の目的は、主に2つである。シンガポールで投資家に会う事と、香港でアジアン・ベンチャー・フォーラム(AVF)でスピーチをするためだ。もともと、香港でのフォーラムは日程が決まっていたので、その日程に合わせて、シンガポールまで足を伸ばすことにしていた。

翌朝、シンガポールで投資家と面談を行った。次のファンドに向けて、感触は良好であった。週末、グロービスMBA生の勉強会の課題図書を読みながら、のんびりと過ごした後、香港に入った。香港は、シンガポールとは違い雑然としていた。いつも思うのだが、同じ華僑が作った都市であっても、こうも違うのかと感心させられる。

今回のアジアン・ベンチャー・フォーラム(AVF)では、初めてグロービスがスポンサーとなる事になっていた。今までは、日本でのベンチャー・キャピタル・フォーラムをスポンサーしたことがあったが、香港では初めてである。

簡単にこのAVFに関して説明しよう。AVFの主催者は、アジアン・ベンチャー・キャピタル・ジャーナル(AVCJ)を発行している会社である。AVCJ社 は、その雑誌と共に、フォーラムを収益の柱にしている。AVCJ社では毎年、豪州を皮切りに、日本、韓国、インド、中国、米国、欧州でフォーラムを開催し、その後11月に香港で開催されるフォーラムがアジア地域全体のベンチャーキャピタル(VC)やプライベート・エクイティ(PE)の会合を総括する形となっていた。

つまり、各国でフォーラムを開催し、11月の香港でのフォーラムがメインイベントという位置付けになっている。グロービスはこのアジアのメインイベントであるフォーラムの最初を飾るカクテル・レセプションのスポンサーをすることになったのである。

今年の参加者は、500名である。昨年が250名、一昨年が150名だった事を考えると、かなりの盛り上がりを見せ始めていることが伺える。参加者もそうそうたるメンバーが来ていた。前回の出張でミシガン州でわざわざプライベートジェットをチャーターして訪問した投資家二社のトップは、実はその際には、双方ともあいにく不在であった。だが、それぞれのトップ2人が別々にこの会合に参加しているのだ。それだけ重要なフォーラムであった。

僕は、双方のトップとそれぞれ別々に、事前に朝食のアポイントを入れていたのは言うまでもないことだ。このお2人会う事が出来ただけでも、香港まで来た甲斐があったというものだ。

11月9日(火)招待者のみで行われる夕食会と、10日(水)の昼食時に開催された投資家円卓会議に参加した後、いよいよ夕方からフォーラムが正式に始まる。10日(水)の18:00から、会場であるマリオット・ホテルのロビー・ラウンジに、ゲストがチラホラ現れ始めた。僕は、このカクテルパーティのスポンサーをしているので、ホストとして来客者ひとりひとりに、「ようこそいらっしゃいました。ホストのを務めさせていただくグロービスの堀です」と英語で挨拶しながら握手をして、名刺を配り続けた。19:00過ぎには、会場は満杯となった。熱気に溢れていた。もう既に用意した100枚ほどあった名刺も底をつきつつあった。

暫くすると主催者が近寄ってきて、「挨拶をする準備ができたよ」、と伝えてくれた。ふと見ると、ラウンジのカウンターにマイクが用意してあり、そこでスピーチをするセッティングになっていた。とても目立つ場所だ。グロービスを売り込む絶好の機会であった。僕は海外に出ると全く遠慮しないことにしている。会場は満杯であった。ワクワクしてきた。主催者の挨拶及び紹介のあとに、僕は颯爽とカウンターに跳び上がり、マイクを掴んだ。

「グロービス・キャピタル・パートナーズの堀です。日本でベンチャーキャピタルをやっています。今回の皆さんの関心事は中国投資かもしれませんが、日本のベンチ ャーキャピタルのグロービスをヨロシク」、と短い挨拶をし『グロービス=日本のベンチャーキャピタル』という印象をしっかりと植え付けてきた。そして、挨拶の後も来客と握手や名刺交換をした。最後は用意した名刺を全て配り尽くしてしまっていた。

その後、招待者のみが集まる夕食会に参加した。この1日だけで、アジアのVCとPEで活躍するメインプレイヤーの殆どと挨拶をすることができた。充実した気分で、1日目を終えた。

2004年11月11日
香港のホテルにて
堀義人

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