起業家の冒言(オピニオン) 起業家の冒言 一覧へ

2006年3月22日 (水)

政治・社会 「日の丸を背負う」ということ〜王ジャパンの世界一の日に思う

本日、王ジャパンがWBCで、見事に世界一となった。日の丸を背負った勇者達の戦いぶりに、多くの日本人が感動し、自信と勇気をもらったことだろう。

日本が生んだスーパーヒーローであるイチローが、日の丸を背負ったことによ り、あそこまで無邪気に感情を表現するとは予想していなかった。 韓国戦で負けた後に見せたあの屈辱的な絶望感。米国が敗れ準決勝進出が決ま ったときに見せたあの晴れ晴れしい笑顔。準決勝での韓国リベンジ戦で見せたサムライスピリット。そして、キューバ戦後の歓喜の世界一。多くの日本人が イチロー達とともに、その絶望感と絶頂感を味わったことにより、日本としての一体感が生まれた感じがしていた。その結果が、準決勝の視聴率50%超という驚異的な関心を呼んだのであろう。

19日の韓国戦、そして本日のキューバ戦が終わった後に、僕はついつい祝杯をあげてしまったほどである。すんなり優勝していたらこれほどの感動は無かったであろう。米国戦での誤審、韓国戦の二連敗など、筋書きの無いドラマがあり、一戦一戦が国の威信をかけた真剣勝負だからこそ、多くの人々を酔わせてくれたのだと思う。

実に楽しかったです。ありがとうございます。m(__)m
(これで終わったらコラムにならないので、もう少し書くことにします)。

数ヶ月ほど前、囲碁棋士の梅沢由香里さんに、「今まで一番思い出に残る対局はどれですか?」と質問したときのことを良く覚えている。彼女の答えは、「日本チームとして世界戦で一勝したときのことです。もう一度、日の丸を背負って戦いたいです。」であった。彼女は二年前に、日中韓の三国対抗の女流棋士団体戦の先鋒として登場し、見事勝利して日本チームに貢献したのである。梅沢棋士は、そのときのことが何よりも一番思い出深いと言っていたのだ。

それから僕は、「日の丸を背負って戦う、とはどういうことか?」、そして、「僕には、そういう機会があるのだろうか?」と思案し始めた。

正直言って、「日の丸を背負う」という感覚を味わう経験をしたことは、あまり無い。一方、日本人の期待を一身に集めて、日の丸を背負って戦ってみたいという気持ちは、心のどこかにはある。ただ、残念ながら僕にはスポーツや囲碁で、そのような機会を得ることは、もう無いと思う。だからこそ、その日の丸を背負っている人々に惜しみなく声援を送りたいとも思う。

戦後の日本は、愛国心というのを教えてきていないし、日本への誇りを持つようにも教えてきていない。隣国の韓国・中国と比べても、遠慮しがちに応援しているその姿が、一つの現われであると思う。ただ、照れながらも日の丸を持ち、日本を応援しているその姿に、ついつい愛くるしさを感じてしまうのは、僕だけだろうか。

ちなみに僕は、「愛国心教育」は、必要無いと思っている。愛国心がありすぎると他の国々に対して排他的になってしまうからだ。「愛国心」の代わりに、「コミュニティに奉仕する精神」というのを教育すれば良いと思う。なぜならば、その‘コミュニティ‘というのは、日本である場合もあるし、韓国・中国を含むアジアである場合もあるし、人類全体を指す場合もあるからだ。当然、コミュニティの最小単位は、家族であって、また共同体としての会社という存在もある。

その自らが所属するコミュニティに最大限奉仕するという精神は、ノーブレス‐オブリージュ(noblesse oblige:身分に応じた社会的責任と義務)の精神に通じて、多くの人々に共感を与えるであろう。その結果、生まれてくる一体感からは、軍国主義的排他思想は生まれ得ないであろう。その共感は、ただ単に自分の所属するコミュニティが良いものであるという自負心を構成員に与え、勇気と自信をプレゼントすることになるのであろう。

では、「日の丸を背負う」ということは、スポーツ選手や囲碁棋士にしか与えられない特権的なことなのであろうか。

僕は、そうではないと思う。日々の仕事の中で、一生懸命に生きている人々もコミュニティに奉仕することによって、日の丸を背負って生きているのだという実感を感じても良いと思う。イチローばかりではない。昨年末までNHKで放映されていた「プロジェクトX」という番組では、無名な人々を取り上げてきた。つまり、スポーツなどで日本代表にならなくても、無名の人々も、それぞれにコミュニティの重要な一員として日の丸を背負っているのである。

僕は本日、日本代表が世界一になったという嬉しさを実感するとともに、彼らの勇姿と戦いぶりに勇気と自信を与えられた気がする。明日からは、また日々の業務の中で、小さな日の丸を背負っているんだという気持ちで、僕なりに頑張ってみようと思う。

その気持ちを胸に、ちょっと遅めの床につく事にする。

2006年3月21日
自宅にて
堀義人

トラックバック(13)

この記事のトラックバックURL :
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/45572/48022906
  • WBC決勝戦!! from お洒落なCUTE

     日本キューバ決勝戦  キューバの選手って皆体格良いよねバットに球が当たれば、全部ホームランになりそうな力強さ日本の選手が線が細く見えるわ  1回表 日本の攻撃  西岡ってまだ21歳なんだね足早くてかっこいいわ  多村デッドボール受けたけど大丈夫かな王...……続きを読む

    受信 : 2006年3月22日 (水) 11時16分

  • グロービス堀家との食事 from デジタルフォレスト 猪塚武の社長ブログ

     今日はグロービス堀社長のご家族と私の家族で食事の日。経緯を説明すると、YEOのクリスマスパーティーで私が出した商品が横浜中華街状元樓のお食事券(1家族分)だったのだが、それが当たったのが堀さんのご家......……続きを読む

    受信 : 2006年3月22日 (水) 11時47分

  • WBC世界一への軌跡!感動の源! from 「感動創造カンパニー」城北の部屋!仕事も人生も感動だっ!

    私なりにWBCを振り返りました……続きを読む

    受信 : 2006年3月22日 (水) 14時37分

  • WBC: Japan crowned Classic's first champ. from Enjoy MLB

    WBC championship 123456789RJapan40002000410Cuba1000020216 it's yakyu. おめでとうございました。 感動と勇気をありがとう。 MLBサイトでの記事タイトル: [ Team of Rising Sun leaves Classic as No.1 ] 「世界一」の胴上げ・監督・宙に舞う   ◆日本・.....……続きを読む

    受信 : 2006年3月22日 (水) 15時54分

  • 全米を、いや世界を泣かせた!WBC日本代表優勝! from 脳みそのしわチャンプルー

    普段応援してる選手・監督が別のカテゴリーで頂点を極めるってのはすごく嬉しいことで、またいつもの野球に戻っていくことに今まで思ったことのない寂しさもあったりして。……続きを読む

    受信 : 2006年3月22日 (水) 15時55分

  • おめでとう王JAPAN、WBC日本世界一!! from ドラゴンズスタジアム

    ワールド・ベースボール・クラシックもついに決勝戦。 三度目の正直で韓国を破った日本代表、 初代王者をかけた一戦の相手は、 アテネ五輪優勝の赤い稲妻・キューバ。 先発・松坂の好投、イチローのタイムリー、 そして代打・福留の2点タイムリーなどで 詰め寄るキューバを振り切り、10-6で勝利。 王ジャパンがWBC初代世界一となりました。...……続きを読む

    受信 : 2006年3月22日 (水) 16時51分

  • WBC優勝!そして・・・。 from 米屋、三代目、信一郎です。

    王JAPAN世界一おめでとう!そして感動と誇りを感謝です。 ふぅ〜、長いようで短く、そしてまさに筋書きのないドラマ。 本当にありがとう!! {/abanzai/} {/hakushu/} {/abanzai/} {/hakushu/} {/abanzai/} 思えば松井・井口の不参加、阪神・中日の選手の少なさ。 日程の厳しさや読売単独の権限、などなど・・。 いろんな障害や理不尽の中、よくぞここ...……続きを読む

    受信 : 2006年3月22日 (水) 17時31分

  • 日本、WBCのチャンピオンチームに! from mints life

    WBC決勝、日本対キューバ。 10対6で日本が勝ち、 見事、WBCのチャンピオンチームに! メジャーリーガーのスタープレイヤーで構成された、アメリカ、ドミニカ、プエルトリコ等が参加する大会で優勝したんですから。歴史的な快挙ですよ。 しかし、韓国は強かったな......……続きを読む

    受信 : 2006年3月22日 (水) 18時50分

  • チーム一丸で最強軍団を撃破! 王JAPAN、悲願の世界一! from ANQ Ritzberry Fields

     国際試合では圧倒的な実績を残す最強軍団・キューバとのWBC決勝。世界3大大会(インターコンチネンタル杯,ワールド杯,五輪)において、(アマ主体のチームが大半だったとは言え)4勝32敗と圧倒的な差をつけられている日本は、アテネ五輪で唯一キューバに土をつけ.......……続きを読む

    受信 : 2006年3月22日 (水) 21時21分

  • WBC日本優勝、素晴らしい試合をありがとう!! from ぶろぶろぶろぐ

     日本チーム優勝おめでとう!キューバとの決勝、素晴らしい試合でした。なんかチーム全員で一つになって勝ち取った試合って感じでよかったです。 まさにつなぐ野球。世界の王はこれでまた世界の王になりましたね。  WBCでプロの選手たちが高校球児のように夢中になって必死になって野球の試合に取り組んでいるのはすごくかっこよかったです。とにかく一点取るんだ、とにかく抑えるんだ、という貪欲な気持ちのプレーもかっこよかったと思います。  あとこのWBC、あのイチローがあんなに熱くなって試合を楽しんでいる...……続きを読む

    受信 : 2006年3月22日 (水) 22時23分

  • World Baseball Clasic from Private Eyes

    野球の国別対抗戦・WBCの決勝戦が行なわれ,見事に日本代表が世界一の栄冠を獲得しました! キューバを相手に10-6で完勝し,紆余曲折あった大会で結果を出すことで決着をつけた格好です……続きを読む

    受信 : 2006年3月23日 (木) 00時30分

  • 日本優勝・ピッチャーズプレートを覆った日の丸 from コレバナ〜裏ヨミ! ニュース・ダイジェスト〜

    ■日本優勝・ピッチャーズプレートを覆った日の丸ワールド・ベースボール・クラシックは、日本の優勝という最高の形で終焉を迎えた。ルールのおかしさや、誤審などいろいろな問題点の噴出したこの大会だったが、「終わりよければすべてよし」と、今では思う。あとになってみ.......……続きを読む

    受信 : 2006年3月23日 (木) 14時56分

  • 万歳!万歳!我らが王ジャパン! from よろずおしゃべり堂

    9回裏、二死一塁。ツーワンから大塚が投じたスライ ダーにグリエルのバットが空を切り、ボールは里崎の ミットの中へ―。この瞬間、世界の王が世界一の王に なった。王ジャパン、優勝!歓喜の輪がスタジアムに 広がった。 ...……続きを読む

    受信 : 2006年3月25日 (土) 17時26分

コメント(6)

  • 恐れいります。
    TBありがとうございました。

    「愛国心」(教育勅語)に関して、当ブログの別記事で取り上げております。さまざまなご意見もいただいておりますので
    よろしければご覧下さい。

    ちなみに現在ベストセラーとなっている「国家の品格」の中では、愛国心とは、「ナショナリズム」と「オプティズム」と二種類があり、必要とされるのは、「祖国愛」と結論づけていますね。

    投稿者: 「感動創造」

  • 凡人ながら「三大都市圏のテーマパーク化を構想」している者です。(コメントとは無関係・・単なる宣伝でした(笑)。)

    ところで、当方は企業内囲碁クラブに所属していた関係で日本棋院よりアマ四段の免状を頂戴しております。と、申しましても・・今や碁会所では得点制・・ゆえに、免状は三段止まりという無免許?の高得点者には四子でも負かされる始末・・

    三年前、54歳にして初めて「日本棋院主催の団体戦(一チーム15名)」に参加しました。理由は伝統ある某囲碁クラブのチームの主将から「仕事の都合で15名が集まらないので・・」ということでしたが・・

    持ち時間45分・・高段者から順に15名が並ばない作戦・・対局相手は30前らしき若者・・中盤・・形勢不利・・しかし、団体戦ゆえか・・簡単には投了しない・・、対局時計の残り時間は当方12分先方は6分・・ふと、時間切れ勝ちを狙う・・しかし、5分も有れば100手は打てる・・結局、ボロ負け・・対局を終えた観戦者が居る中で「ホント、気恥ずかしい限りでした(笑)」それにしても、本質的には個人競技なのに「団体戦という余計なバイアス」が掛かるとトンでもないことをしでかすものだ・・それが、野球やサッカーなど国際試合となると・・にしても、審判を含めてフェアプレイは必要ですよね・・このブログで昔のことを思い出しました。

    投稿者: 三成21

  • 王ジャパン優勝、イチロウの素直な祖国思いに、チ-ムメイトとの
    気さくな、触れ合いに、なぜかホットし、喜びが、心の底からTVのその時々の画面を見て、溢れてきました。また、リベラルな愛国心のお話しも、日本は、まだまだ正常だと思いました。人命を最上位に置く思想が、戦後60年の今日、その価値を問われています。人権思想と人間の尊厳とを共に、語り、学ぶ時となりました。桜のはなびらは、国命で亡くなられた人々の、生きたかった様々な思いの象徴ではないでしょうか。坂本晃康 合掌

    投稿者: 坂本晃康

  • 名古屋校における堀社長の講演にて”一緒に山を買いませんか”とご提案した者ですが、ご記憶ございますでしょうか?
    チームや組織が一丸となって掴み取る喜びは一生の宝物ですね
    周りを明るくする元気にするそして幸せにする・・・そんな好循環にのりたいものです。官だの民だのと言っている間に公の部分が抜け落ちてしまっているように思えてなりません、若者に向けて「選挙に行こう」と呼びかけて意識を変えよう・歯車を前に回そうとエールを送り続けていらっしゃるのがとても印象深くすがすがしさを覚えます、今日はここまで。

    投稿者: 山本 典子

  • 日の丸を背負うことの意味って すごく深いんでしょうね
    吾人もグロービスでのコミュニティや学びの場を与えていただいてまして いつかグロービスやグロービス出身の方々が日の丸背負う創造の変革の志士として活躍していくんでしょうね。

    ところで名古屋でも吾人の企業家リーダーシップが4月15日より開催されますね。 いまからワクワクです。受講生も素晴らしいですよ。
    お忙しいとは存じますがぜひ、ぜひMLに一日も早くご登場
    願います!

    投稿者: 衣笠 光則

  • 私は、自衛官として11年勤務しました。
    その過程において、日本人としての誇りをもちました。
    日の丸を背負っていると感じていました。

    人間は環境によって育てられるのだと思いますが、
    ぜひとも、スポーツを通じて多くの人が
    日本のすばらしさを感じ、誇りを持ってくれればと思います。

    投稿者: satoh

コメントを書く

お名前
メールアドレス 本サイト上には掲載しません。
URL
コメント本文(必須
コメントは管理者が公開するまで表示されません。
不適切な発言は、管理者の判断において削除することがあります。

はじめに

「起業家の風景/冒言」一覧

起業家の風景 最新コラム

起業家の冒言 最新コラム

メールマガジン配信

著書

グロービス 事業紹介