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2010年3月24日 (水)

日本人・アジア人・地球人 次代のリーダーが集うサミット〜その2 G1サミットの構想

白い雪が舞い降りる中、参加者をお迎えに、トマム駅に行く。特急列車が到着することを告げるアナウンスがあり、ゆっくりと無人のホームに滑り込んでくる。雪の中、乗客が降りてくる。ホテルのスタッフが、サミットの看板をもち「G1サミットにお越しの方は、こちらにどうぞ」と声を上げ、僕は、親しい仲間の顔を発見するたびに、近くに寄り、挨拶をする。仲間の荷物が少ない場合には、手袋を脱ぎ握手をし、荷物が多い場合には、会釈をした。

そして、バスに誘導し、一緒に搭乗し、談笑をしながらホテルに向かう。このルーチンをサミットが始まるまで行った。ふと昨年、このサミットを開催したときのことを思い出した。

「僕らの力で、日本を変えられないか?」

このことばかりを僕は、ずっと考えてきた。僕は民間の立場で、リーダーの教育という観点からのサポートはできるし、ベンチャー・キャピタルを通して新たな産業の創出ができる。だが、政治家ではないので、国の大枠を変えられないし、政策や制度も変えられない。学者ではないので、日本の知の水準を押し上げることはできないし、家元ではないので、伝統文化の発展には寄与できない。

特に政治面に関しては、自らの無力さを感じることが多かった。明らかに日本の国益に反する政策が立法されようとしても、全く阻止することができないのである。政治を変えないと日本の再生はありえない。でも、政治に関与できる立場ではない。そこで、「自らの考えに近い政治家を全面的にバックアップする」ことを思い立ち、実行に移してきた。

親しい仲間で同じ寅年生まれでもある、自民党の世耕弘成氏、西村康稔氏の両人の東京後援会長を引き受け、民主党の前原誠司氏の後援会の幹部にもなった。同い年ではないが、他にも親しい政治家が何人かいた。順不同に書くと、浅尾慶一郎氏、河野太郎氏、松井孝治氏、鈴木寛氏、福山哲郎氏、古川元久氏、林芳正氏などである。彼らの活動を民間の立場からバックアップすることに多くの時間を割いてきた。

一方、僕自身、さまざまなネットワークを十数年をかけて作ってきた。YEO(現EO)のような起業家のネットワーク、若手経営者の会、知識人の勉強会、同い年の会等である。

数年前から考え始めていたのが、日本を本気で変えようと思うならば、有志のネットワークが必要だ、ということだ。一人の人間の力は、限られている。だからこそ仲間を募るのである。そして、「日本を変える」、という強い意思を共有し、各界でその思いを伝播してもらうのである。その「思い」の力で日本を変えて行くのだ。

そのきっかけとなったのが、2008年夏に参加した、「豪州ダボス・コネクション」と呼ばれる組織の運営するコンファレンスだ。この会合は、「豪州にダボス的コミュニティーを創ろう」と思い立った豪州の有志が集い、、10年ほど前に立ち上げたものだ。僕がビックリしたのは、豪州のトップが集うこのコンファレンスに、豪州の首相が楽しそうに参加していたことである。首相ばかりでなく、大臣、州知事などもである。首相らは、スピーチのみをして帰るのではなく、一晩、二晩とホテルに宿泊をしていくのである(2009年のADCの模様は、コラム「豪州首相との対話〜「第二の明治維新を期待する」」を参照のこと)。

「これを日本でやろう」と僕は思いつき、行動に移した。9月にリーマンショックが起こり、その動きを加速させた。ボード・メンバーとなる有志を募り、議論をスタートさせた。ボード・メンバーの全員が同世代である。自民党より世耕さん、民主党より前原さんにボードに就任していただいた。起業家の代表、オーナー経営者の代表など、各分野でリーダー的に活動している方に、ジョインしてもらった。同じ志を有する方のみに声をかけていき、第一回目のG1サミットが福島県の磐梯山のふもとで開催された。

当初のメディア・ポリシーは、豪州のADCと同様、「オフレコの本音トーク」なので、ブログを含め一切執筆禁止だった。今年は、ツイッターの広がりもあり、発言の中身以外は、原則OKとした。従い、やっと今、その全容を明らかにすることができるのである。ただ、現時点ではまだウェブも作っていないし、マスコミの発信も遠慮願っているのが実情だ。

サミットの名称は、「G1サミット」と呼ぶことにした。「G1」とは、「世界(Globe)は一つ」、「世界(Global)No.1を目指す」、「世代(Generation)が一つに結集する」などの意味を込めて命名した。G20でもG8でもなく、「グループは一つである(G1)」、という思いもこもっている。

以下が、二年目となる今年の挨拶文からの抜粋である。

「『G1サミット』では、各界の第一線で活躍する同世代の仲間が、政治・経済・ビジネス・環境・地域・科学技術・教育・文化など、多岐に亘る領域を、参加者全員が立場を超えて議論し、学び、具体的なアクションにつなげていきたいと考えています。社会を担うリーダーとして必要な知恵や視座を互いに学び、ビジョンを固め、具体的に打ち手を考え、良き仲間との交流を深めながら、より良い社会を実現していくことを目的としています。

G1サミットの議論では、以下を心がけたいと思っています。

(1)批判よりも提案を
(2)思想から行動へ
(3)そして、次代のリーダーとしての自覚を醸成する」

これが、G1の精神である。つまり、学び、交流をしながらも、日本を良くする運動を始めることが主要な目的の一つなのである。その構想に基づき、記念すべき第一回目のサミットが、福島県の磐梯山の麓で開催された。100名強の参加者とともに、多いに語りあった。そして、第二回目となる今年は、北海道のトマムにて、一段とパワーアップして開催された。

2010年3月23日
堀義人

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