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2011年6月11日 (土)

政治・社会 未来の懇談会よりも、今の経済、雇用、復興を最優先せよ

福山副官房長官が、久しぶりにツイッターでこう呟いていた

「自然エネルギーに関する有識者オープン懇談会を開催します。出席者は、孫正義 ソフトバンク社長、岡田武史 元サッカー日本代表監督、小林武史 ap bank代表理事、枝廣淳子 環境ジャーナリスト、坂本龍一です。高名な方々であり、自然エネルギーに強い思いをお持ちの方ばかりです。総理と建設的かつ未来に夢がもてるような懇談になれば、と考えています」。

僕は、これを見て、「なぜ今?」、「菅総理は辞める筈では?」、「何でサッカー監督やミュージシャンが有識者なの?」、「復興は?経済は?」等とても不思議な気持ちになるとともに、「他にやるべきことがあるだろう」と憤りを覚えてきた。そこで、次の通り、副官房長官に向けて呟いた。

「僕には、懇談会の目的がさっぱりわからないです。今重要なことは、しっかりと経済を回し、雇用を生み出し、復興を遂げることです。その復興の一番のボトルネックが電力です。電力不足により産業は打撃を受け、国民生活は多大な迷惑を被り、熱中症による死者も増えることが予想されています。

今行うべきは、10年以上未来の「自然エネルギー」の懇談会ではなく、原発の再稼働を果たし、経済をまわし、復興の道筋を示すことではないでしょうか。この「自然エネルギー」のイベントが「脱原発」の気運に加勢し、再稼働が遅れると日本経済、雇用の維持の面で、致命的なことになるでしょう。

どうも僕には、辞職したくない菅総理が、人気取りのために行っているイベントにしか見えないです。こんなパフォーマンスをやっている暇があるならば、東電の破綻処理(今株価が急落中)、原発の再稼働(無関心にしか見えない)、復興計画の策定(遅遅と進まない)に取り組むべきでないでしょうか。

リーダーの役割の一つは、「何が緊急で重要か」を伝えることです。この優先順位を間違えると、誤解を招き、混乱を起こします。副官房長官からの久しぶりのツイートが「懇談会」だと、経済、雇用、復興への関心が低いものと見なされます。親しいからこその進言、ご勘弁を」と。

「自然」エネルギーには、誰も反対ではない。起業家が、どんどん新たな境地を切り開いていき、進めて行くべきだ。僕も、ベンチャーキャピタルとして多いに投資をしたい分野だ。だが、孫正義氏が、政治に擦り寄り、補助金を狙い高い電力料金で売ることを期待して「政商」的に動くと、ことはややこしくなる。国民の税金を使わずに行えるならば賛成だが、政治力を使う政商が現れると、政策を曲げられる危険性があるからだ。

それよりも、今必要なことは、経済を回し、雇用を生み出し、復興を果たすことだ。懇談会の面々を見ると、「脱原発派」が多く見受けられる。しかも自然エネルギーの有識者でも何でもない。この議論が、脱原発・反原発に流れると、また再稼働が遅れ、経済が停滞し、雇用も失われ、新卒学生の就職も増えないであろう。そして、復興は遅遅として進まない事が予想される。

「未来の懇談会よりも、今の経済、雇用、復興を最優先せよ」。それが、国民が求めていることである。

堀義人

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コメント(11)

  • 懇談会批判には同意する部分も多い。しかし、相変わらずの原発推進路線。
    Globisは創造と変革をめざしているのでは? 京大工学部出身なのだから、現状の悲惨さ、原子力燃料サイクルの欺瞞などを理解すべきだろう。

     ハーバードも最近は経営倫理を重視するカリキュラムになったという。残念ながらGlobisのカリキュラムマップをみたところ、経営倫理は開講されていないようである。ご自分の発想の古さとあわせて、コースの改訂もお薦めする。

    投稿者: yh

  • なんで、こんなに当たり前のことしか言えないの?

    堀さんの書いているくらいのことは、普通の日本人なら誰でも分かる。

    目前の解決に溺れて、未来に禍根を残したくないから何か行動しようとしているんじゃない。

    感受性とイマジネーションの問題!(原発か貧乏かの二者択一にしたくないのよ)

    (多分貴方は、自説に都合のいい情報にだけ敏感になっている。それも一種の情弱あるいは遮断)

    投稿者: 常連

  • やっとでき始めた仮設住宅の入居率が半分だとニュースにありました。何故、被災者が望んでいた仮設住宅に入らないのでしょうか?家族も家も仕事も何もかもを失ってしまい、経済基盤もなく自立できないことから避難所に留まらざるを得ないのではないのでしょうか?政府は、自立した生活ができる基盤作成支援にもっと本気で取組んでください。

    投稿者: funa

  • 情報ありがとうございます。本当に仰るとおりだと思います。
    たとえ自然エネルギーの議論が重要であったとしても甚だ不適切な面々だと思います。

    投稿者: Naoko

  • yhさん、常連さん。私は別にグロービスのまわしのものではないが、震災のときに
    宿泊所を無料で提供していただいたお礼もあるので、反論するのも馬鹿馬鹿しい内容
    だけど、あえて小中学生がこれを見て感性が大事だと変な理解をしたら困ったものなので
    いいますね。ここにひとりの癌患者がいます。ある程度進行しているが完治の可能性は
    あります。この患者、激痛で毎日苦しんでいます。ここにひとりの医師がいます。
    理想に燃えて、なるべく患者にとって副作用の少ない免疫治療や漢方治療で癌を治療しようと副作用のない投薬や処方をしています。なので患者は毎日、激痛と戦い、精神的にも
    まいって病と面と向き合う気力や思考もなえてきています。家族もその姿をみて、半分ノイローゼ気味になっています。この状態で副作用云々は免疫治療云々の理想は意味あります?本人、完治の前に自分で命を絶ってしまうかも。家族もこの状況耐えられますか?
    必要なのは多少副作用があっても抗がん剤やモルヒネ投与では?で、痛みがなくなって
    はじめて、冷静な判断が出来、はじめて、本人の生きる気力が湧くのでは?家族も冷静
    でいられるでは?免疫治療や自然治癒矢漢方治療は確かに副作用もなく、重要性は高い
    です。でも今はこの患者にとっては多少の副作用があっても緊急的な対応の方が、はるかに最重要なことなのでは?いうまでもないですけど、医者が管総理で、患者は福島等東北で震災にあわれた方々のことですよ。
    管総理へ!『この法案を通せば、辞任が云々の』せりふ。震災で家族をわが子を失った方々にどう聞こえてたでしょうね。あなたの想像力の貧困さのひどさにはあきれかえる。
    あなたは一国のリーダーですよ。自らの命さえ省みないでまつりごとにあたるのが当然
    の立場なんですよ。選挙であなた方民主党を与党にしたのは、われわれ国民の責任です。
    ですから、やめろとはいいません。全身全霊で真摯に震災対応にあたってください。
    でないと、被災者の方があまりにも悲惨です。天災を人災にしてはいけません。

    投稿者: kuwa

  • いつからこんなにも目先優先の視点になったのでしょうか?
    電力の重要性は誰でも理解しています、復興のボトルネックになっているのも事実でしょう。
    だがそのことが即、原発維持・推進に思考がシフトする理由にはならない。
    将来のビジョンも無く、増してやご自分が有識者に選ばれなかった事を妬んでいるかの物言いは、某経済学者に通ずるものがる。
    共通しているのは、目先の己の利益のみ。
    今すぐ電力の安定供給を望むのであれば、収束が何十年先になるか分からない原発は既に役目を終えている。

    投稿者: Aoi

  • 堀さんも、政治家みたいな言葉の使い方をするようになりました。
    「それが、国民が求めていることである。」という結びの言葉。
    全く、非論理的な言葉の使い方です。
    私はそのようなことを望んでいないし、堀さんと違う考えの人も多いでしょう。
    多様な意見を乱暴にまとめて、「国民が求めている。」と断定するのは非論理的です。
    異なる意見に耳をかさない政治家が、人々を扇動するときに使う言葉使いです。

    投稿者: ok

  • ここのHPの良いところはagainstな意見であってもきちんと掲載されている点ですね。
    この姿勢はとても評価されるべき部分であり、また、時として読み手の考えと異にする発言であっても、それについて改めて再考させられる機会がある点です。
    双方が論理的な思考を展開していても、その力点をどこに置くか?によって、こうも意見が左右されるという事は、大変興味深いものがあり、各人の、その人となりが表されるものですね。

    投稿者: raigo-

  • こんにちは初メールです。
    IT原始人なのでフォロワーはおろかメールアドレスとURLの区別も出来ません。
    なのでURL欄未記入です。
    (決して高齢ってわけじゃないんですが・・・)
    ブログを拝見すると被災地へ有形無形の支援をされている様子が伺えます。
    で、失礼か?と思いますが、こんな人間からお願いがあってメールします。
    メールでの無益な争いはもうやめませんか?
    事故直後の状況判断のミスや「売り言葉に買い言葉」的なご発言があったことは否めない事実です(よね?)
    ただ、当事者として事に関わっていればこその事だ、と思います。
    それに、今正しいとされている、事実とされている情報がいつ覆るかダレもハッキリとは分っていないのが本当の所なのでは無いでしょうか?
    で、何が言いたいのか?と言うと
    まだ、そんな可能性がある、といった範囲のことですが(だといいんですが)今回の震災で日本の食糧生産体制は多分大きなダメージを受けているものと考えられます。
    この状況で、たとえば大きく円安になったら?たとえば政治的な理由で食料の輸入が滞ったら?
    私も偉そうにこんなメールを打っている状況ではなくなるでしょう。
    本当に申し訳ないのですが私を含め、今回の震災について「同情はするもののやっぱりひとごと」というスタンスの人間が多いと思います。が、実はそうでない・・・。    
    今VS未来なんていっている場合じゃないですよね?
    今すぐ必要なこと、長期的に必要なこと、総力を挙げて両方取り組まないとマズイですよね?
    そして、それは何よりそれは被災した方達の事を考えた場合、今一番必要で一番出来ていないことなのではないでしょうか?
    そして、それは当事者として関わっている堀さんが一番ご存知なのではないか?と勝手に考えています。
    懇談会が用を成していないこと、お腹立ちと思います。
    だからこそ今VS未来とか原発促進VS脱原発とか(あっ堀さんが原発推進派って意味じゃないですからね!言葉はムツカシイ・・)分りやすいけれども誤解と対立しか生まない様な言葉ではなく、本当の意味でオピニオンをリードして頂きたく、またその志とそれを実現する能力がある方だと思いメールしました。
    (口惜しいかもしれませんが堀さんからちょっと折れてくださいね)
    以上です、拙い文章をもし最後まで読んで頂けたのなら幸いです。

    投稿者: mhkj

  • 私は現役世代だけの都合だけを優先し、将来世代に禍根を残して良いわけではないと思います。
    東電や国の情報公開にも納得感はありません。

    が、それでも、優先度とかなぜ、国のエネルギー政策のような大切な議論がいきなりなされるのか、そしていきなりその結論なのか、いまのやり方にはかなり違和感があります。

    少しガマンして省エネすれば影響がないというのでは、表面的すぎて、あまりに短絡的と思います。
    数か月前まで原発の輸出に寄っていたこととどう整合するのか、全く理解しにくいです。


    投稿者: 高橋千里

  •  本日、初めて貴ブログを拝読いたしました。ブログの記事に賛同いたします。

     再生可能エネルギーの新興は中長期のエネルギー政策ですが、いま日本が直面しているのは、今日や今夏の電気をいかに確保するかという問題です。

     政府がすべきなのは、短期的に電力をいかに確実に、かつ安定的に供給するかという問題であり、それを解決できなければ仕事をしたとはいえません。

     日本で安定的に電力が確保できなければ、企業は安定的に電力を確保できる国に転出してしまうでしょうし、転出できる体力がない企業は経営に行き詰るところもでるでしょう。

     そうなると、多くの雇用が失われ、手当をいくら配っても解決できない社会不安が広がることになります。

     私自身は、「強い人材の育成→強い企業の支援→強い経済の実現→そして経済的繁栄がもたらす安定した安全・治安の確保と豊かな福祉の実現」が政府のなすべきことだと思っています。

     現在の政権は、耳目を集めることばかりに時間を浪費して、取り組むべき課題設定と優先順位付けを誤り、懇談会や会議を設定するばかりで実行が伴っていません。

     また、辞任をほのめかしたものの実質的に退陣しないことを明言した首相を解任できない与党には失望以外の言葉がありません。

    投稿者: いしかわ

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