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2011年6月 2日 (木)

組織人 グロービスの卒業式の風景

5月15日、22日にグロービスの卒業式が行われた。グロービスでは、3月末まで授業を行い、その期の単位を組み入れて卒業判定を行うので、卒業式が5月に行われるのが通例のことであった。

5月15日の午前10時に大阪で卒業式を執り行い、写真撮影を行い、懇親会を開く。同じサイクルを、名古屋に移動して、午後14時半から行う。名古屋では、西濃運輸の田口義隆社長より祝辞を頂いた。

翌週の日曜日の5月22日の午前10時から、グロービスの東京校で英語のIMBAプログラムの初めての卒業式が開催された。当然のことながら全て英語で行われた。参議院議員の松田公太さんが来賓として、激励スピーチしてくれた。卒業式で、堂々と英語でスピーチをする日本人MBA生を見て、とても感慨深かった。

初めての英語の卒業式は、感動的だった。少ない人数ながらも、国際色が豊かであった。半数が日本以外からだ。スイス、ナイジェリア、そしてマレーシアだ。在校生には、カナダ人、インド人、フィリピン人、フランス人、タイ人などの姿もあった。一人ひとりに卒業証書を授与する時に、気持ちが高揚する。

午後2時からは、グロービス東京校の日本語のMBAプログラムの卒業式であった。90名の卒業生が結集した。

東阪名、そして英語の卒業式全ての式次第は、グロービスらしくシンプルなものであった。学長の式辞、来賓の祝辞、卒業証書の授与、そして卒業生の答辞のみである。

卒業証書授与の時が、印象深い。一人一人の名前が読み上げられ、僕の目の前にMBA生が来る。目と目が合い、グロービスでともに過ごした日々が思い起こされる。「おめでとうございます」と声をかけ、卒業証書を丁寧に手渡す。卒業証書のカバーのためかズシリと重く感じる証書を渡すたびに、「この人たちの学びにどれだけ貢献できただろうか?」と自問自答する僕がいる。

僕が教える「企業家リーダーシップ」のコースは必修科目だから、東阪名・日英の言語に拘らず全てのMBA生が受ける。僕は、僕が持っている全てのものを、このコースを通して全力で伝授するのだ。

卒業証書を渡した瞬間からグロービスの卒業生となり、「グロービスのMBA」という学歴を語り始める。彼らの志が低く姿勢が悪いと、グロービスのブランド価値が下がる。一方では、彼らが社会で活躍すると、グロービスの価値が上がる。言ってみれば運命共同体なのだ。だからこそ卒業式の式辞にも、力が入り真剣勝負になるのだ。

グロービスの卒業生は、家族の理解を得て、仕事をしながら、学びに専念する。2年間強ケースメソッドで徹底的に頭を鍛え、議論を通して切磋琢磨し、知識、知恵、伝える力を習得する。それを経て手に入れた卒業証書。卒業生の顔には充実感とともに、自信がみなぎっていた。

ゲストのネミック・ラムダ元社長兼会長・斑目力曠さんが、帰り際に一言僕にこう伝えて頭を下げられた。「これだけ多くの優秀な人々を育成してくれてありがとう。日本を代表してお礼を申し上げます」と。日本の現況を考えるとこんな人数では、まだまだ足りないのだ。もっともっと多くの「創造と変革の志士」を輩出しないと日本は変わらない。グロービスの教育にコミットする気持ちがさらに強くなる。

グロービスの卒業生の特徴は、元気なこと、仲間意識が強く、志が高く、既成概念にとらわれないこと。卒業式後の懇親会での講師の挨拶、在校生の送る言葉、アルムナイ(先輩方)の激励の言葉、そして、卒業生の謝辞。全てが熱く、期待感に満ち溢れていた。

家族とともに参加する卒業生も多くいた。黒いアカデミックガウンに身を包みながら、子供を抱きかかえていた。「お父さん、勉強頑張ったね」と僕が声をかけると、どことなく誇らしげに微笑む子供達。奥様や旦那様の表情にも支え続けたという充実感と、安堵感が表われていた。

最後の思い出のスライドショーには、オリエン・入学式から卒業式までの思い出が詰まっていた。あすか会議、トップセミナー、振り返りセッション、クラブ活動、学長セッション、そして卒業式の写真で締めくくられる。いつもながらウルウルと感動する。逞しく育ち、旅立っていく卒業生の姿を見るとき、嬉しい思いと寂しい思いが交錯する。

2年間のMBAは、長い人生を考えると学ぶきっかけでしかない。当然2年間で学べるものにも限度がある。むしろ、これからの長い人生での学びの方が重要なのだ。だからこそグロービスでは、志、向上心、学ぶ姿勢、学ぶことの楽しさ、使命感に訴えかけ、気付かせ、覚醒させることが重要になる。

卒業後の指針のためにも、僕は、本を執筆したのだ。拙本『創造と変革の志士達へ」には、僕がグロービスの卒業生に伝えたいことがほぼ網羅されている。できたら、繰り返し読んでもらいたい。そして、真の「創造と変革の志士」として、社会に大いに貢献してほしい。

いつも思うのだが、卒業式に参加すると、今までの全ての努力が報われる気がする。そして、「もっと頑張ろう」というエネルギーをもらえるのだ。もっと多くの「創造と変革の志士」達を育成しよう。そうすれば、日本、アジア、世界が、更に良いものになるであろうから。

創造と変革の志士達よ、卒業式は終わりでなくて、始まりだ。可能性を信じて、自らの志に向けて、ばく進せよ。僕は、皆さんのこれからの活躍を祈念し続けよう。

2011年5月吉日
堀義人

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コメント(1)

  • 堀 さん

    卒業式おめでとうございます。
    あらたな志士達を社会に送り出した喜びと期待に満ちた報告
    喜ばしく読ませて頂きました。
    たった今、菅さんの不信任案が否決されましたが、
    私どもの心を揺るがすようなスピーチは一つもありませんでした。
    これからは、いよいよ政治状況を変革して行かなければならない時代と痛感していま
    す。

    松田さんや、鈴木さん、世耕さんのような新しい世代の政治家の皆さんに
    頑張って頂きたいし、それらの流れをさらに強めてゆきたいと思いました。

    投稿者: N0.6 卒業生

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