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2011年11月21日 (月)

政治・社会 とことん議論2~TPP 

「11月4日(金)19時~“トコトン議論”の第2弾を開催いたします。
前回、ソフトバンク代表・孫正義氏とグロービス代表の堀義人がエネルギー問題に関し、トコトン議論したのに続き、今回のテーマは「TPP(環太平洋経済連携協定)です。

田原総一朗氏、池田信夫氏、松原聡氏といった論客が、賛否双方の立場から課題設定し、グロービス経営大学院東京校を会場に、激論を交わします。当日、ネット中継をするほか、会場での聴講も募集しますので、是非奮ってご参加ください。

TPPについては、「日本の国益のために必要」という参加推進論の一方で、「日本の農業を潰す」、「デメリットの方が大きい」などといった反対論もあります。進むにしても引くにしても、日本をより良き方向に前進させるために、徹底的に議論を尽くす必要があります。

ご登壇者については、まだ複数名調整中の段階ですが、是非、当日にご期待いただ
き、ご参加いただければ幸いです。

     田原総一朗氏 ジャーナリスト(モデレーター)
     池田信夫氏 アゴラブックス社長
     色平哲郎     佐久総合病院・内科医
     田村耕太郎氏 米ランド研究所客員研究員、元参議院議員(20時頃~)
     服部信司氏 日本農業研究所 客員研究員
     福井健策氏   弁護士・ニューヨーク州弁護士、日本大学藝術学部客員教授
     孫崎享氏    元・外務省国際情報局長
     松原聡氏     東洋大学経済学部教授
     堀義人      グロービス経営大学院学長(司会)
     ほか、賛成派・反対派につき数名様について調整中」

開催の一週間前、このような告知文を書いた。

過日エネルギー問題で、孫さんとトコトン議論をした後に、僕が得た実感は、「世論を変えることができる」というものであった。独りよがりの感覚かもしれないが、あの8月5日のトコトン議論以来、僕自身、空気が変わったと強く認識していた。真剣に自らが信じることをトコトンまで討議すると、人を動かす力になるのだ。一方、トコトンやると、少なくとも論点が全て出尽くして、議論を尽くした感じが出てくる。そうなると、どっちの議論を支持するにせよ、相手との違う点もわかり、モヤモヤ感がクリアになってくるのである。

この「トコトン議論」の効果を、一回切りで終わらせてはいけない。国論を二分するような課題の時には、必ずトコトン議論を開催しようと強く思うようになっていた。ただ、「トコトン議論」は、孫さんと一緒に創ったものだ。そこで、孫さんに登壇をお願いしつつ、「トコトン議論」の名称の使用許可を頂いたのだ。

以下が、ツイッターによる中継だ。

今夕のトコトン議論2は、とても楽しみだ。「天下分け目の決戦」という言葉を使ったが、目的は「戦い」では無い。議論を尽くし、相互理解をすることが重要である。孫さんとのトコトン議論1は、最後に握手して肩を抱き合って終わった。そこまでは難しいかもしれないが、良い議論ができれば幸いだ。

さぁて、始まった。僕の挨拶、長島補佐官の挨拶の後に、田原さんによる紹介があり、池田信夫さんの冒頭プレゼンだ。池田さんによる主張は、「関税を下げることは良いことだ。消費者にとってもプラスが多い」。服部さん、「TPPは、秘密交渉だ。日本の平均関税率2.5%。米国3.3%関税撤廃することにメリットは無い」。
松原さん、①自由貿易体制の推進=賛成、②TPPは、筋が悪い。だが、筋が悪くても、参加して、しっかりと国益を主張することができる。③奄美のさとうきびに経過措置は必要。未来永劫守らなければならないのか?石炭産業、新日鉄釜石、出光徳山も撤退した。

「TPPは、「環」ではない。10カ国のみだ。中国・韓国が入っていない。対米貿易は伸びていない。1.5%の為に98.5%が犠牲になっているのは嘘だ。米国は、混合診療や株式会社による医療参入を要求している」。(孫崎享氏)池田信夫さんが、議論中にツイッターで呟いた。@ikedanob TPP反対派とは、輸出がいいことで輸入が悪いことだという「重商主義」が抜けない人々。経済学って大事だね。

「輸入が増えることは、消費者にとってはプラスなのは、明白だ。では、輸出が減る分のデメリットを所得補償すれば良い。所得補償以上のメリットが日本国にあれば良い。こんなのは明白だ」(池田信夫さん)

田原さんのモデレーターは切れがあって面白い。テレビと違って、じっくりと聞けて良い。くだらない地上波より断然面白い。

田村耕太郎氏がピンク色のシャツで颯爽と登場。スーパーマンの様だ。「アメリカではTPPは、誰も知らない。今から参加しても遅くない。TPPを始めたのはシンガポールだ。仮想敵国は、中国だ。知財も、中国がコピーしているので困っている。TPPの枠組みは何も決まっていない。何で決まっていないことにこんなに騒ぐのかわからない」(田村耕太郎氏)。

「TPPのプロセスで、孫崎さんが言う様に、「米国の陰謀」があり、その結果農協がつぶれたら、それだけで野田政権の歴史に残る功績となる」。「今の農業がそんなにいいものですか?守るに値するだけの価値があるのか?」(池田信夫氏)

「農業所得が10年間で半分になった。TPP等関係無くだ。TPPを契機として、日本の農業が再生できたらこんないいこと無い」(松原氏)。

池田さんと服部さんが、横に座っていてかなりヒートアップしている。観ている側としては、恐縮ながらも、正直言って面白い(堀観戦記)。

田原さんとの約束の時間の夜9時が近づいてきた。そこで、僕は、ツイッターで呟いた。
「田原さんの御要望で、夜9時に一旦終わりますが、もしも継続を希望され、パネラーも同意されれば、続けます。御意見はどうですか?」

もの凄い反響があったので、トコトン議論2に、田原さん退席後、急きょ僕がモデレーターとして登壇することになった。

第二部に残った方々は、以下である。

<賛成派>
    池田信夫氏 アゴラブックス社長
    田村耕太郎氏 ランド研究所客員研究員
    神保謙氏 慶応大学准教授(第二部より急きょ登壇された)

<慎重派>
    服部信司氏 日本農業研究所 客員研究員(21時30分まで)
    孫崎享氏    元・外務省国際情報局長
    色平哲郎氏     佐久総合病院・内科医
   
   最初の30分で農業に焦点を絞り議論をして、後半の30分で外交を中心に議論をした。とことん議論は、先のエネルギー議論同様、まとめたり、整理したりする必要が無く、平行線でもよいのである。各自の見解を持つ機会を与えることが重要なのだ。僕らの問題として、立場は違えども大いに議論をしていくことが大事であり、それがトコトン議論の精神なのである。

僕が期待していたよりも議論が白熱し、学びが多かった。僕は、TPPの交渉に参加しつつ、強い農業・医療・知財を実現する、という二兎も三兎を追える気がした。逆に参加しないと、農業も医療もじり貧で終わる気がしている。日本の底力を見せつけようではないか。頑張ろうニッポン!

注.トコトン議論2~TPPのアーカイブは、GLOBIS.JPでご覧いただけます。
トコトン議論2~TPP問題を考える GLOBIS.JP
http://www.globis.jp/1843

次は、トコトン議論3~世代間格差:税と社会保障の一体改革を実施する予定だ。
そして、以下呟き、僕は、夜の街で朝まで飲み明かした。

「最後まで御視聴、お付き合い頂き感謝です。今、会場の撤収中です。これからグロービスの仲間と飲みに行くぞ~~。さすがに、G1グローバルから続いた緊張感から開放された気分だ。

そしてトコトン痛飲し、翌日より風邪で体調をこじらせた。その結果、このコラムの執筆を完了するのに、二週間以上の時間を要することになった。トコトン議論ならぬ、トコトン反省でした。チャンチャン。

2011年11月20日
ニュージーランドからの帰国便で
ツイッターに基づき執筆
堀義人

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