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2011年2月16日 (水)

日本人・アジア人・地球人 G1サミット2011(2)~2日目の風景:会議場、ウィスキー工場、お風呂場、そしてバーの中での交流

気持ちが良い二日酔いを感じながら朝目が覚める。分科会会場全てに顔を出す。会場を渡り歩くときに、降りゆく雪が創りだす景色に見とれる。雪景色がこれだけ美しいと感じるのは初めてだ。

先ずは、スポーツのセッションに座る。為末大選手、朝原宣治元選手、元シンクロ日本代表の武田美保氏がパネラーだ。テーマは、「スポーツ立国日本を目指すには」だ。他の会場では、泉田裕彦新潟県知事、細野豪志首相補佐官、和郷園の木内博一氏、WTO貿易政策検討部の早藤昌浩氏、柳川範之氏等が「経済開国」のセッションに登壇されている。もう一つのセッションが、「製造立国・日本の復権~ものづくり神話の先にあるもの」だ。サキコーポレーションの秋山咲恵氏、著名なアナリストの佐藤文昭氏、HOYAの浜田宏COO、そして、ブーズ・アンド・カンパニー日本代表の澤田宏之氏だ。一方、レストランには、参加者同士で交流しながらゆっくりと朝食をとっている人たちもいる。G1の二日目の朝の風景だ。 

二つ目の分科会セッションが始まった。僕が今座っているのはクール・ジャパンⅠのセッションだ。ミシュランの三ツ星シェフである京都吉兆の徳岡邦夫さん、日本を代表するデザイナーの岡部泉さん、農水省の増井国光氏。モデレーターは、カフェ・カンパニーの楠本修二郎さんだ。

二日目は、夕方まで分科会セッションが続き、最後に全体会で締めくくるプログラムだ。このメンバーは、日本を代表する食の伝道師でもある。米国にある食の大学院(「食のハーバード」)に徳岡さん、岡部さん、楠本さんと辻さん(辻調理)とでプレゼンをしに行ったところ、5分間 スタンディン・オベーションが止まらなかった、と言うのだ。

今、クール・ジャパンの熱い議論が続いている。僕は、参加者として楽しみながら、ホストの役割を果たす必要がある。これから、他のセッション全部に顔を出し、機会を見つけて登壇者にお礼を申し上げる必要がある。G1では、登壇者であろうが、演奏者であろうが、皆手弁当で来て頂いている。だからこそ、丁重にお礼を申し上げたいのだ。

G1は今年で3回目を迎えるが、基本的に参加費と参加者限定のスポンサーシップで運営されている。ダボスと違い、財政的には厳しい。未だ黒字化の目処が立っていない。世界レベルの会議をしようと思うと、やはりお金がかかる。従い、登壇者であっても参加費を支払って来て頂いている。

皆「気持ち」で、G1に来てくれているのだ。あまりこの場で言えないが、誰にも講演料や謝礼を出していないのだ。天才ピアニストであっても、櫻井よしこさんにしても、だ。しかも、いつも遠隔地での開催だ。頭が下がる思いだ。だからこそ、感謝の気持ちをしっかりと伝える必要があるのだ。 

今日の最後のセッションには、安倍晋三元総理も来られる。ホストとして、参加者全員が満足されるように、頑張りたい。会場の大きな窓から、雪が降り落ちる様が見える。美しい風景だ。そして、その窓の前に登壇者が座り、議論が続く。

G1の良さは、登壇者が、次のセッションの聴衆に変わる点だ。つまり、登壇のためだけに来る人はほとんどいない。招待する時に必ずお願いするのは、「是非参加者と交流をして欲しい」だ。 つまり、誰であっても平等なのだ。この精神が、G1と言うコミュニティを形成する重要な要素だと思っている。登壇者であろうが、参加者であろうが。日本人であろうが、外国人であろうが、同等なのだ。業種を問わず、老若男女を問わず、皆日本を良くする仲間なのだ。

二つ目のセッションは、「ク―ル・ジャパン」(文化)以外には、「新興国ビジネスの理想と現実」(経済)と「日本は破綻するのか」(政治)のセッションが開催されていた。G1の分科会は、3つのラインが同時に進行する。「政治・政策」、「経済・技術」、そして「文化」だ。

「日本は破綻するのか~デフレ脱却と財政再建の道筋~」というオフレコとなったパネルには、みんなの党の浅尾慶一郎氏、日銀の梅森徹氏、民主党の大串博志氏、著名エコノミストのロバート.A.フェルドマン氏、そして、モデレーターが朝日新聞社GLOBE編集長の山脇岳志氏だ。

「新興国ビジネスの理想と現実」には、三菱ケミカルホールディングスの小林喜光氏、自民党総裁候補だった西村康稔氏、ロート製薬の山田邦雄氏、そして、モデレーターのアクセンチュアの程近智氏だ。どれも豪華メンバーだ。

三つめのセッションが始まった。政治は、外交・防衛についてだ。パネラーは、民主党長島昭久氏、自民党林芳正氏、慶應大学の神保謙さん。モデレーターは、東京財団の渡部恒雄さん。「正直言って、オールスターだ。この分野のライジングスター勢ぞろいだ」、と渡部さんよりパネラーの紹介があった。

テーマは、「新たなパワーバランスと日本の外交戦略」だ。G1メンバーには、前原外務大臣を含む、外交・防衛の実務家・専門家も多い。時事的には、エジプトの動きも気になるし、日ロの外交の行方も気になる。だが、ここでの議論は、米中の間に挟まれた日本の外交戦略だ。神保氏、長島氏、林芳正氏と順番に、マイクを握る。

「中国の制空権、制海権が劇的に伸びている。その中で日本がやるべきことは、3つだ。(1)新興国を巻き込む、(2)アジア太平洋の地域安全保障アーキテクチャー、(3)日本のやるべきことをしっかりとやる(防衛力を含め)」。(神保謙氏)。とても分かりやすい。 

「中国の台頭をどう考えるべきか。日本は、アジアNo.1の経済力を誇る時代が終わった」(長島昭久氏)。日本には素晴らしい政治家リーダーがいる、ということを改めて痛感する。 

G1で、実は一番聞きたい内容は、「この部分はツイッターに書かないでください」と前置きしてからの話だ。政策当事者が喋ったここだけの話が外に出ると、マーケットが動き、外交にも影響し、翌日の新聞の見出しを飾る可能性があるからだ。 

「日本は外交的には、実は良いポジションにいる。英国BBCの調査では、もっとも良い影響を与えている国という調査では、いつも一位か二位だ」。(長島昭久氏)長島昭久氏も林芳正氏も、与党・野党の立場ではなく、政治家として、日本の外交・防衛をどうすべきかを語ってくれている。

「本当は、『何でこんなことしちゃったの』、と長島さんに問いたいけど、そんなことをしても仕方が無いので、あるべき姿を論じたい」(林芳正氏)。

林芳正氏の話を受けて、「確実に世代が変わっている。元防衛大臣でこれだけ理路整然と話をする人は過去にはいなかった。今までは仕組みがガチっとできていたので、優秀なトップでなくても良かった。これからは、リーダーが重要になる時代だ」(渡部恒雄氏)。

会場を渡り歩いている間に、5歳の5男に会う。中庭の特設スケート場で、アイス・スケートを楽しんでいた。家族旅行も兼ねたG1サミットの一風景だ。

クール・ジャパンの第二部のセッションには、田嶋要経済産業大臣政務官、吉川稔氏らが登壇しており、モデレーターはA.T.カーニーの梅澤高明氏だ。G1の良さは、政策当事者が、専門家や実際に動かしている実務家と学者・知識人等と一緒に登壇している点だ。これからは、産官学が機能的に連携しながら、日本を良い方向に持っていく必要がある。

「インターネットが変えるメディア」のセッションでは、既存メディアと新興メディアとが一緒に登壇する。パネラーが夏野剛氏、藤代裕之氏、TBSの丹羽多聞アンドリウ氏で、モデレーターが慶應大学の國領二郎先生だ。そりゃ、メチャクチャ面白いことになる。

ランチタイムになった。ランチは、「Table For Two(TFT)」によるプレゼンテーションだ。TFTの発起人や理事の皆さまも、皆G1メンバーだ。オイシックスの高島宏平さん、藤沢久美さん、浅尾慶一郎氏、松田公太さん達だ。

高島さんのプレゼンの後に、理事のメンバーが代わる代わる挨拶をした。藤沢久美さんも熱く訴えかける。「アフリカの人に、日本人と中国人の違いは?」と聞いたら、「中国人は顔が見えるが、日本人は会社の顔しか見えない」、と。是非日本人も、個人として顔を出して、勝負したい」。

G1は、NPOや社会起業家を応援している。昨年社会起業家のセッションを実施したので、今年はセッションが無く、新たに誘えなかったが、来年は新たなメンバーを加えていきたい。

午後の分科会が始まる。「最高裁と特捜検察という“聖域”を斬る」だ。登壇者は、弁護士が久保利英明さんと郷原信郎さん、弁護士且つ衆議院議員の柴山昌彦氏だ。モデレーターは、日経新聞の三宅伸吾氏だ。

「一人一票実現に向けて、様々な形で協力を」(久保利英明さん)。今回のG1参加者で、この「一人一票を実現せよ」と言及する登壇者が凄く多い(長谷川氏、冨山氏他)。とてもいい事だ。佐藤大吾氏とともに企画している、「3・14一人一票YES!」イベントにも、多くの人を呼びムーブメントに繋げようと思っている。

郷原さんが、熱く検察問題の本質を語る。村木さん拘留の問題、大阪地検の不祥事、そして今の検察の組織文化の問題を語っている。検察不祥事を白日の下にさらしたことの功績は、かなりの部分郷原さんの貢献だと思う。

しかし、このタイトルを改めて見ると、とても大胆なことに驚く。「最高裁と特捜検察という”聖域”を斬る」だ。G1で既得権益の話が出てきているが、司法の聖域に、G1が斬り込んでいこう、という試みだ。地味なセッションだがとても重要だ。参加者には、政治家も多い。

司法、立法、行政の3つの権力。そして、マスコミという4つ目の権力。ここの改革をしなければ、日本は良くならない。G1世代で果敢に、斬り込んでいきたい。そして、フェアな世の中を実現したいものだ。

「観光立国」のセッションに移動。本当は、一つの会場に「定住」したいのだが、全部に顔を出すのが、僕なりの登壇者への礼儀だと思っている。パネラーは、観光庁の溝畑長官、星野リゾート星野さん、じゃらんの冨塚さん、そしてモデレーターは、BCGの御立さんだ。

溝畑さん、「アクション、アクションあるのみ」と熱く力説。翌日には、文化庁の長官も来られる。知事が4名、政治家20名超、長官2名だ。是非多くの刺激を受けて、多くの人々と連携しながら、日本を良くしてほしい。いや、政治家への他力本願でなく、僕らも積極的に参画する必要があるのだ。 

「イノベーションを生み出すもの。~アントレプレナーシップが生まれる土壌とは~」。パネラーは、カカクコム、クックパッドを創った穐田誉輝さん、サンブリッジのアレン・マイナー氏、そして、グロービス・キャピタル・パートナーズの仮屋薗聡一だ。今考え得る、サポータ側のベストメンバーだ。

そして、このセッションの参加者は、日本を代表する起業家がゾロリだ。窓の外は、雪。また降りだした。

「ここにいる人は、皆成功している。だが、社会は、『あいつら失敗しないかな~』と思っている。その結果が社会のバッシングに繋がっている。でも、それが日本にとっていいことですか?もうそんなことやめようよ」と穐田氏が、語る。全く同感である。強く同意したい。

午後の2つ目のセッション「国家安全保障としてのサイバー・セキュリティ~新たな“戦争”にどう立ち向かうか~」だ。モデレーターは、神保謙さん、パネリストは、インターネットの第一人者の村井純氏、警察から坂明氏、そしてシマンテックの河村浩明氏だ。

僕は、このセッションは、とても重要だと思っている。ダボスでも議論されていたのを聞いたが、今や戦争は、サイバースペースで起こっているのだ。

「サイバーセキュリティに従事している人の数は、アメリカと日本とでは圧倒的に違いすぎる(10倍以上違う)」。是非その重要という認識を広めていきたい。だからこそ、G1の議題として取り上げたのだ。

途中で抜け出して、安倍晋三総理、櫻井よしこさんをお迎えしに、ホテルの入り口に向かった。入口付近には、山梨県警の警備員がダークスーツを着込み、緊張感を持ちながら何やら連絡し合っていた。

グロービスのスタッフが、櫻井さんを駅でお迎えした、と情報が入った。そして、暫くしてマイクロ・バスで櫻井さんが到着された。僕は、握手をして迎え入れた。いつもながらの美しい笑顔での登場だ。控室ではなく、なるべくG1の雰囲気を感じて欲しいと思い、「若手政治家が語るこの国の未来」のセッションに参加されることになった。そのセッションには、民主党から近藤洋介氏、田村謙治氏、自民党から平将明氏、みんなの党から中西健治氏が登壇された。そして、モデレーターが、日本総研の翁百合氏だ。

続けて安倍総理が車で登場された。世耕さんと共に、ホテルのロータリーで頭を下げてお迎えした。櫻井さん同様に、セッションに誘導した。安倍総理は、技術セッションに興味を示されたので、会場までお連れした。

技術のセッションとは、「科学技術政策~人類の夢とイノベーション~」だ。このセッションのパネラーが凄いのだ。鈴木寛文部科学副大臣、京大の山中伸弥教授、JAXAの立川敬二理事長。そして、モデレーターが、日本学術会議会長を務められた黒川清さんだ。これも、今考え得る最高のメンバーだと思う。 

二日目最後の分科会が終わり、今から全体会だ。メイン会場に向けて、白い雪が積もっている坂を上がってくる参加者達が見える。

最後のセッションは、「誇りある日本人として~今、如何に行動して、何を次世代に伝えてゆくのか~」だ。ぼくは、「日本人のアイデンティティ」を認識することが、世界で闘っていく上で、最も重要なことだと思っている。だからこそ、このG1サミットでは、このテーマのセッションを毎回設定することにしている。 

先ずは、櫻井よしこさんのスピーチだ。「2006年以降生まれの未来世代は、一人当たり1億500万円の借金・年金を生涯かけて返すことになる。今は、バラマキをしている場合じゃない。

問題が山積みだ。(1)財政、(2)高齢者の心、(3)国防。そうなると、原点に戻る必要がある。まともな国家とは、自分の国を自分で守る国。まともな人間とは、自分のことを自分で行い、自らが守るもの。

今の財政を例えて言えば、月20万円の収入で、月50万円の生活をしているようなものだ。こんなの良いわけが無い。政治家、そして1億2000万人の国民全員の責任だ。1億2000万人総無責任だ。国民がお上に任せて、考えていないのではないか。

では、どうすればいいのか。歴史を学び、かつての日本人の価値観を学びなすことだ。これを言うと、「また櫻井さんは、歴史か」と思われるかもしれない。でも、この価値観の伝承無くして、日本の繁栄は、ありえない。

教育をやり、視野を広げた上で、国防の問題をしっかりと、やらなければならない。言葉の外交と同時に、テーブルの下でしっかりと国力をつける努力が必要だ。そのためには、憲法改正をして、自らの国を自らの力で守る意思が必要だ」。と力強く締めくくられた。

壇上に、櫻井さんと安倍さんが対談形式で座り、安倍総理の話が始まった。「戦後65年間、日本には損得の価値しかなかったのではないか。損得を超える価値があるのではないか。日本人として誇りに思う事は、傲慢になることではない」。

そして、会場との対話が始まった。僕も、平場から質問させてもらう。「具体的にどういう価値を伝承するのが良いのでしょうか」、と。櫻井よしこさんは、「自分のふるさとの歴史を学び、その地に生きた先人の価値観を振り返る。彼らの気持ちになりきると、息遣いも伝わってくる。長岡であれば、長岡の先人達に、福岡であれば、福岡のだ」。

ちなみに、僕は、水戸出身だ。だから、水戸の先人達の考えや思想を強烈に意識している。この手法が間違っていなかったと言うことを確認できたのは、大きい。

安倍首相も答えられる。「『国家のために貢献したいか』に対し、米国、中国は、70%超えている。日本は、50%下回っている。『国を誇りに思うか』、という問いでも同様の結果だ。日本が自らを蔑む教育をしていると、こういう結果になる。従い、総理の時に、教育基本法を改正し、公共心の教育を入れたのだ」

「価値観の伝承のためには、一所懸命に努力をする必要がある。そうしないと、価値観は、薄れていってしまうものだ」、と櫻井よしこさんが続ける。

さらに会場から質問が続く「中国人と韓国人に友達が多いか、どう付き合うべきか悩む時がある」、と。櫻井よしこさんは、「『日本が侵略した』という、所謂レッテル言葉を使わないようにし、徹底的に議論をするようにしている。今の価値観で判断せずに、歴史を学びその当時の状況を理解した上で、議論をしている」。

僕も、韓国人と中国人と徹底的に議論したからこそ、中国も韓国にも友達も多くでき、わかり合えている。議論したことによって、更に信頼関係が増した気がする。議論をするためには、自らの歴史観を持つことが、重要だと思う。後で、ドイツ人のイェスパー・コール氏から、「日本人は歴史問題をタブーにし過ぎる」と指摘を受けた。

ツイッターで呟いている間に、フォロワーから反応が来る。こうやって、登壇者と参加者が対話をしている間に、ツイッターのフォロワーとも対話し、そして自らの内面とも対話をしているのだ。

夜は、サントリーの白州工場にて「ウィスキーとほうとうを楽しむ夕べ」、だ。家族向けには、プールサイド・ディナーだ。この議論が夜も続くであろう。答えは無い。自らが、考え続けることが重要なのだと思う。主催者だからか、ついつい次のスケジュールや周りの事が気になってしまう。

安倍総理と櫻井よしこさんのセッションを終えて、バスに乗る。林芳正さんの席の横に座る。お互い大きいから、かなり窮屈だ(笑)。実は、僕ら2人は20年以上も前から旧知の仲なのだ。僕がハーバード・ビジネス・スクールに留学中に、林さんは、ハーバード・ケネディ・スクールに留学していた。お互い元商社マンだ。林さんの奥様と3人で、ハーバード・スクエアの中華料理店で語り合った仲だ。彼は、まだ政治家になっておらず、僕は、まだグロービスを始めていなかった。

そう言えば、田嶋要氏とも、20代の時にハーバード・スクエアでランチをした仲だ。田嶋氏とは、スペイン料理だった。その田嶋さんは、今や経済産業大臣政務官だ。かたや、林さんは、既に大臣を二つも歴任している。浅尾慶一郎氏、河野太郎氏とも、20代に出会っている。G1に来ている政治家の殆どは、政治家になる前から知っている。西村康稔、鈴木寛、松井孝治、近藤洋介、松田公太、田村謙治、中西健治等だ(親しみを込めて敬称略だ)。不思議な縁を感じる。

20分ほどバスに揺られて、サントリーの白州工場に着いた。ウィスキーの貯蔵庫と蒸留工場を見学して、大ホールへ。ここで、「ウィスキーと、ほうとうの夕べ」を楽しむ予定だ。

「なぜ工場へ?」、と思うだろうが、ホテルの中で会議ばかりで缶詰になると、気分を変えたくなるからだ。常に、サプライズや気分転換が必要なのだ。リゾナーレ近辺に200名近く収容できる場所が見つからなかった。星野さんが、「絶好の場所がある」、と白州工場を紹介してくれたのだ。下見に行ったところ、問題が発生した。「調理場が無いので、暖かいものが出せない」、と言うのだ。

短所を長所にするのが、僕の発想法だ。「だったらガスコンロを使って、鍋にしよう」と提案し、更に「山梨らしくほうとうにしよう」、とアイディアを出す。あっと言う間に、メニューまで決定してしまった。そこでネーミングが、「ウィスキーとほうとうを楽しむ夕べ」になった。だが、鍋と言えば、日本酒が合う。そこで、月桂冠の大倉社長に寄付してもらうことにした。昨晩の「ワインとピアノの夕べ」との対比もいい。

次は、エンターテイメントを用意する必要があった。昨晩がピアノの演奏だったから。全く違うのが良い。そこで、世界で活躍するスタンドアップ・コメディアンである神田瀧夢氏による、トークショーを思いついた。彼の本『サムライ・スピリット』を読んだが、実に面白い。そこで神田さんにお願いすることにした。日本人で唯一、3大テレビネットワークであるABCの、ゴールデンタイムの司会を2年間務めた男だ。マット・デイモンとも友達だと言う。

僕も心配していたが、これが大うけだった。レッドフォックスの別所宏恭氏の紹介も良かった。会場が、昨晩と違う形で一体となった。

食事中に櫻井よしこさんをお送りし、食後に安倍総理に丁重にお礼を申し上げて、頭を下げた。車は、そのまま雪夜の闇に消えていった。

再度バスに揺られ、ホテルに戻る。今度は、僕の盟友でもある世耕弘成氏が隣だ。林さんよりは、スペースがあったが、やはり狭い(笑)。

ホテルでは、アフターアワーが続く。政治家の皆さんとの会話が実に興味深かった。お酒を飲みながら歓談し、深夜12時にお風呂へ向かった。露天温泉で、辰巳さんらと一緒にワインを飲みながら、談笑した。お風呂でお酒を飲むと酔いが回るのが早い。雪にうつぶせになり、冷ます人もいた。

星野さんにこれ以上迷惑をかけてはいけないので、皆を促して、温泉を出る。レストランに戻ると、まだ皆酒を飲んでいた。もう夜中の1時半を回っていた。実は、こういう時に様々な新しいイニシアティブが生まれてくるものなのだ。僕は、主に20代、30代の若手と意見交換して、夜中2時過ぎに部屋に戻った。 

メゾネットの1階部分に、3男、4男、5男と妻が寝ている。2階部分には長男、次男だ。僕の寝るベッドが空いていないので、5男を少し動かして、その横に寝ることにする。さあ、明日は、G1最終日だ。

2011年2月14日
三番町の自宅にてツイッターをもとに執筆
堀義人

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