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2012年2月 2日 (木)

日本人・アジア人・地球人 ダボス会議2012~4) 5日目 世界とのネットワーキング

朝7時過ぎに起床。だんだん起きる時間が遅くなってきた。ちょっとだるい。起きた瞬間に体調が分かるものだ。朝8時から本会議場で開催された「アシアン・ブレーンストーミング」と言うセッションに参加した。招待制の少人数のセッションであった。ローソンの新浪さんやインドネシアの大臣も参加していた。

このセッションは、今年の5月末から6月初旬にバンコクで開かれる、東アジア経済サミットで議論すべきテーマを、ブレストすることが目的だ。ポストイットを使うセッションだったので、慣れたものだった。グループに分かれた時に、リーダーシップをとって意見をまとめ、発表した。こういう時は、積極的にいかないとね。(^^)¥

朝9時から、「ジャズとクリエイティビティ」というセッションに参加した。「即興は、100回同じことを練習するところから生まれる」。「失敗は存在しない。失敗は逆に新たな世界に導く機会だ。」「知識を削ぎ落とした時に、本物の知識が表出する」。「芸術は、俳句や禅のように簡素化されたところから生まれる」等、とても示唆に富むものだった。

10時半からは、「世界経済の展望」に関するセッションに参加した。IMFのクリスティーヌ・ラガルド専務理事、英国のジョージ・オズボーン財務大臣、ロバート・ゼーリック世界銀行総裁等と並んで、古川元久大臣が座っている。

他の登壇者は、カナダの中央銀行総裁、トルコの経済財政担当副総理などで、モデレーターがフィナンシャル・タイムズ(FT)のマーティン・ウルフ氏だ。かなり注目度が高いセッションだ。

今回のダボス会議のテーマでよく使われる言葉が、“Social inclusiveness”だ。「環境」よりもよく使われる言葉だ。日本語では何と言うんだろか。古川さんのスピーチは、バランスが取れていてよかったと思う。日本の財政問題にもしっかりと言及していた。

昼食時は、外のホテル会場で開催された、招待制による日本ランチに参加した。古川元久大臣、枝野経済産業大臣をお迎えし、長谷川経済同友会代表幹事、小島三菱商事会長、緒方貞子JICA理事長、川口順子元外務大臣等がホスト・ホステス役として歓迎しているものだ。他には、小林三菱ケミカル社長、志賀日産COO他財界のトップが参加していた。

日本ランチのあとに、歩いて会議場に戻った。その機会に日本の自宅に電話する。「三男が、サッカーでハットトリックをした」、と報告を受け、元気になった。子供達と話をすると疲れが吹っ飛ぶ。本会議場に入り、「幸福のアートと科学」というセッションに参加した。会場は立ち見が出ていて、僕は床に座りながら聞き入った。

金銭的インセンティブよりも、恐怖による行動よりも、愛、情熱、共感、仲間意識等による関係性の方が、良い結果を生み出す、とのリサーチが紹介された。確かに、グロービスの躍進は、良い関係性によって成り立っていると理解できる。

「幸福のアートと科学」のセッションは、最後は全員で立ち上がって歌い、拍手をして、軽く踊った。思わず楽しくて、幸せな気分になる。「如何に幸福を伝達させるか」に関する実験のようである。僕は単純だから、すぐに幸せな気分になった。この状態で、多くの人に会えば、人間関係は常にうまくいきそうだ。(^^)

「幸福」に関するセッションを終えて、会場でネットワーキングをした。驚くほど多くの人が、僕の"Email From Japan"を読んでいることに、驚かされた。「あの時期に努力をして書いてくれてありがとう。日本の状況が理解できて良かった。KIBOWの活動は素晴らしい」との評価を受けた。こういうメールでのコミュニケーションの重要性を認識できた。続きをしっかりと書こうと心に決めた。

韓国の新聞とCCTVのテレビの取材に応じた。グロービスが、少しずつ世界に浸透していることを実感できた。

ホテルに一旦戻り、ホテルのカフェで、BBCのニック・ゴーイングとお茶をした。日本に招待してからニックと親しくなったので、何だか友達と世間話をしている感覚で意見交換できた。ニックは、今年もまたG1 GLOBALに来てくれそうだ。「今年の統一テーマを創れ、ツイッターを活用したセッションをしよう」等と提案を受けた。

夜8時からカルチュラル・ソワレだ。今まで土曜日の午後便で帰る事が多かったから、土曜の晩のソワレに参加するのは、2004年以来だ。その時は、マリンスキー管弦楽団のゲルギエフ氏の指揮による『くるみ割り人形』だった。今年は、ブラジルがテーマだ(2004年のダボス会議報告参照)

カルチュラル・ソワレでは、3時間ぶっ続けで立ちっ放しで、ネットワーキングをした。世界とネットワーキングをしている感覚だ。さすがに疲れた。宴はまだ続いていたが、静かに退席してきた。シンガポールの元外務大臣と出会い、話が出来たのは、とても大きな収穫だった。さ~て、パッキングをして、翌朝の最後の登壇に備えることにしよう。今年最後のダボスの夜だ。

翌日のダボス最終日は、朝9時からの「リーダーシップ」のまとめのセッションに登壇して、帰国の途につく。朝10時15分にセッションを終え、10時30分に車の迎えが来て、ヘリコプターに乗り、チューリッヒ空港13時発の成田直行便にて帰国する予定だ。いよいよ終わりが見えて来た。

2012年2月1日
一番町の自宅にて執筆
堀義人

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コメント(2)

  • 毎年ダボス会議のレポートを見させていただいております。
    私のような凡人が参加できるわけないのですが、毎年参加した気分で、勝手に充実感を味わっています。

    世界のTOPレベルの人の集まりに、日本からTOPの方がなぜ参加しないのでしょうか?
    参加できる資格を持ちながら、参加しないというのは日本人として世界を見ていないようで大変残念です。

    堀さんの以前のエッセイ(ブログ?)で日本の若い人が海外に出ていかない。(海外の主要会議で合わない)
    今は中国、韓国の若者のほうが世界に目を向けている・・・(積極的に参加している)
    と言われていましたが、本当に残念で、危機感さえ感じます。

    グロービスの学生の方は、堀さんをみて成長されていくと思います。
    より積極的に海外の主要会議に参加されるよう教育ください。

    以前一度グロービス名古屋校でお話を聴かせていただいた凡人より

    投稿者:

  • いつも有益なメールをお送りいただき感謝しています。

    ダボス会議の内容はとても参考になりましたが、それにもまして「三男が、サッカーでハットトリックをしたと報告を受け、元気になった。子供達と話をすると疲れが吹っ飛ぶ」という箇所に感銘を受けました。

    私も豪州ヴィクトリア、タスマニアの旅から戻ったところです。二人の娘がどういう訳かそろいもそろってオーストラリアで暮らしています。放射能の心配のある日本を離れオーストラリアに移住することを薦めてくれています。福島原発の問題はありますが、もう少し我が国に滞在してやりたいことをしたいというのが正直な気持ちです。

    私の趣味は、登山とテニスです。日本の山は世界に誇る素晴らしい清らかな渓流と3000メートル級のピークがあります。テニスは世界中どこででもできますが、山登りはそういう訳にもゆきません。もう少し当地にとどまりたく思います。

    堀さんの一層のご活躍を楽しみにしております。

    投稿者: 比賀江 克之

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