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2012年9月 9日 (日)

政治・社会 正しいと思うことを言い続ける信念を!

昨年8月にソフトバンクの孫正義さんと3時間半にわたり、原発問題に関して一対一の「トコトン議論」を行った。インターネット上でライブ放映され、討論録を数百万人もが目にしたと推測されている。昨年福島第一原発の爆発後に20km圏内から住民が避難した後、反原発の世論が吹き荒れる真最中での討論だった。僕は、「何があろうとも正しいと思うことを言う」と腹をくくり、原発の必要性を主張し続けた。

今年に入り、ロンドンオリンピック開催中の8月10日、韓国の李明博大統領が日本固有の領土である竹島に上陸した。翌日サッカー男子3位決定戦後に韓国チームの朴鍾佑選手が、「独島(竹島の韓国側呼称)は韓国領土である」と主張するプラカードを掲げた。そして、李明博氏は、8月14日に天皇陛下の訪韓に関して「心から謝罪するならば来なさい」と発言した。この韓国の姿勢に我慢ができず、翌8月15日には「終戦記念に日韓関係を思う~竹島上陸・天皇陛下への非礼な発言を受けて」という意見をまとめ、ブログで公表した。

双方の事態で気がついたことは、「財界や政治家リーダーがあまりにも発言しない」という事実である。原発においては、財界では経団連の米倉弘昌会長以外からは発言が聞こえてこないし、政治家では安倍晋三元首相や民主党の近藤洋介衆議院議員など一部の意識が高い方以外は、選挙を恐れてか、ほとんど発言しないのが実情だった。まさに孤軍奮闘の気持ちであった。誰も発言しない状況だったからこそ、僕はあえて進んで発言することにした。同様に領土問題でも、韓国や中国との関係性を重視してか、財界からは声がさほど上がらなかった。

「同じ次元で争わない方がいい」、「言わせておけばいい」という声をよく聞く。一見大人びた発言でもっともらしく聞こえるが、何の問題解決にならないどころか、事態を悪化させることにもなる。「何も言わない」ということは、国際社会では相手の主張を認めたことを意味する。こちらが主張しなければ、相手はどんどんつけ込んでくる。甘い対応をしていたら「やった者勝ち」になってしまう。無理を通せば道理が引っ込んでしまうのだ。

僕は、韓国人や中国人を含め数多くの友人と議論をしてきた。信頼を得る一番良い方法は、自分が正しいと信じることを言い、正当に議論することである。相手の感情を害することを恐れて、何も言わない、あるいはヘラヘラと笑い迎合することは、蔑まされることはあっても、決して尊敬を得ることはない。どんな立場であろうが、見識を持った一人格者として意見を主張することが求められるのだ。武士は、理不尽に名誉と誇りを傷つけられたら必ず相応の行動を取った。正しいと思うことを主張しないのは、日本古来からの美徳でも何でもなく、「意気地無し」なだけなのである。

僕が、原発の必要性を主張したことに対する反原発派の反発は凄まじいものがあった。実家に反対派が押し寄せ、警察を呼んだこともあった。嫌がらせの電話や誹謗中傷も増えた。社員たちにも嫌な思いをさせた。しかし、圧力に屈して黙ってしまったら相手を利するだけである。その結果、日本が間違った方向に進んだら、後世の人々に何と言って詫びればいいのだろうか。

幸い、双方の議論・主張直後から続々と反響が寄せられ、「勇気のある発言に感謝」「誰も声を上げようとしない時にあえて発言する姿勢に感銘した」といった言葉を数多く頂戴した。

「弱腰外交」と批判されてきた日本政府を動かしたのは、多くの日本人が正しいと思うことを発言したからだと思う。だが、まだ足りない。原発に関しては、与党民主党は選挙を恐れてか、事も有ろうに「原発ゼロ」を主張している。原発ゼロになれば、電力料金は倍増し、経済は打撃を受け、雇用が喪失する。壊滅的な不可逆的な事態となる。

僕は決めたのだ。ボコボコにされてもかまわない、日本を良くするために子供達や後世の日本人のためにも、信念に従い正しいことを言い続けると。良識を持ったリーダーたちが勇気を持ちもっと発言する必要がある。そして、日本のためにも賛同者の声を大きくしていくことが望まれるのだ。


堀義人

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コメント(4)

  • お久しぶりです。いつもブログやツイッターを拝見しています。堀さんの応援団の一人です。

    日本が決定的に間違った方向に動きはじめた運命の日の2日前、2011年3月9日にコメントを送らせていただきました。
    翌10日に堀さんより返信をいただきました。
    そして3月11日の大震災から、日本のすべての様相が感情に支配されるようになりました。
    良識ある人は一部を除いてまったく発言をされなくなりました。

    その中で、堀さんは信念を貫かれ、
    正しいと思うことを、臆することなく発言される姿勢に、
    私もまた、日本と世界の未来を支える30代の日本人の一人として、
    勇気をいただいてます。
    堀さんは日本の希望だと思っています。

    若者はバカではありません。
    日本の若者は夢がないと60代前後の方々がマスコミでよくしゃべっておられますが、
    私はいつも「Look to YOURSELF!」という気持ちになります。
    夢がないのは、悠々自適に年金生活をし、それを支えるための増税を支持し、日本はやがて北欧のような国に落ち着いていくのがよいと心底思っている60代以上の人たち自身ではないかと思うのです。
    勿論、その中には良識あり、日本と世界の未来のために心痛め、勇気をもって発言されている方がいらっしゃることも承知しています。
    私は、戦後のリーダーが築いた日本の繁栄を、さらに推し進め、日本を本当の意味での一流国にしたいと心から思っています。
    もし、日本人に夢や志がなくなったと嘆いている人がいたら、
    そんな人にこそ、引退勧告をしたいと心から思います。
    誰かがこの国を変えるのを待つのではなく、
    「私がこの国を変える」と志し、実際に行動したいと思います。
    この国には評論家があまりにも多すぎます。
    志と行動力で、未来を切り開く志士達がもっともっと必要だと思います。

    ですので、堀さんの信念と行動には心から尊敬申し上げます。
    社会的に認知されている人ほど、
    発言には勇気がともなうことだろうと推察申し上げます。
    しかし、堀さんの姿勢をじっとみつめている若者は日本にたくさんいます。
    そのうしろ姿に学び、続こうとする若者がこれからどんどん出てくるとおもいます。
    私もその一人であることは間違いありません。
    これからも応援しています。

    敬意を込めて

    投稿者: Mak

  • 堀さんの勇気ある信念に賛同し敬服いたします

    小生も起業して2年
    孤軍奮闘でようやく黒字経営に至りました
    「日本の明るい未来の創造」をミッションに活動中です
    原発の必要性、日本のエネルギー問題の危機を
    行く先々で力説しています

    世間では意外にも原発賛成の方が多いです
    特に若い人は真剣にエネルギー問題を考えています

    私見として原発再稼働に関しては下記の通り考えます

    ・経産省がエネルギーの現状と未来を国民に解説する
     マスコミはその解説を正確に報道する
     原発反対の安易なTV番組が多すぎる
     発言者は言動に責任をもって欲しい

    ・政治家は勇気を持って持論を発表する
     政党としてエネルギーの方向性を一本化する
     大阪維新の会のような中途半端な姿勢は許されない

    ・電力会社は早急に構造改革が必要
     現状のままで原発再稼働は不安要素が多すぎる
     発送電分離、電力会社の再統合を真剣に考えるべき
     前職時代に数社の電力会社とお付き合いしたが
     競争に鍛えられていない組織は緊張感が欠如している
     現状の組織に原発稼働は任せられない

    以上 乱筆で失礼いたしました

    投稿者:

  • 堀社長:
    はじめまして,
    友人のfacebookからのリンクでやってきました。
    大変興味深く読ませていただきました。

    私は木や草などの非食系バイオマスから燃料や化成品などの有用物質や
    電気エネルギーを生産できる技術開発に20年近く携わっております。
    ご想像の通り原発があまり好きではないバイオマス研究者ですが,
    堀社長のご意見には共感できるところがあり,筆をとらせて頂きました。

    これまでにも多くの人と本件に関してディスカッションをさせて頂きましたが
    私が受けたイメージとしては原発を動かすべきとおっしゃっている全ての人が
    「仕方が無い」という感覚を持っていることです。
    原発以上に経済性があり,環境負荷のかからないエネルギーがあれば
    そもそもこんなディスカッションにはならないと皆が思っているということです。
    そういう観点から見れば堀社長も「原発推進派」ではなく
    「仕方ない派」なのではないかと思うのですがいかがでしょうか?

    減らせるものなら減らしたい,ただ現状動かさなければ
    日本の経済への影響が計り知れないという「仕方ない派」のスタンスと
    私のように実際に原発を減らしたいと思っている者,
    抗議活動等を行っている原発を無くしたいと思っているような人達も
    結局は「原発を減らしたい」というベースの思いは同じなのではないでしょうか?
    むしろ原発をなくすまでの時間をどれくらいに設定するかが
    それぞれの立場によって違いがあるだけのような気がするのです。
    すでに50基以上の原発を作り,その恩恵にあずかってきた私たちがとるべき道は
    今以上に増やすことなく,しかもなるべく経済に負荷をかけることなく
    何年でどこまで減らせるかを議論し実行することで,
    そこには脱原発か原発推進かという01(ぜろいち)の議論は
    存在しないように私には感じられます。

    私の研究では現在石油から作られているものを
    どれだけ生物資源(バイオマス)に置き換えることができるかが勝負ですが
    なるべく使用する石油を減らしたいという思いはあっても
    今の生活を続けながら石油使用量をゼロにすることが可能とは思っておりません。
    より少ない石油使用量で今と同じ生活を送ることができるようになれば
    使わなくなった分の石油を玉突きでエネルギー生産にまわすことも可能になります。
    その分原発を少なくするような考え方をすれば
    間接的に減原発に貢献できると思って研究を続けております。
    このような考え方はエネルギー政策のみにとどまらないので
    日本国民が必要としている全ての物資をどう供給するのかという
    オーバーオールのビジョンを持つことが重要となります。
    経済への負担を極小にしながら減原発を粛々と進めることは
    可能ではないかと私は考えております。
    その際に必要なのは定性的な議論ではなくて定量的な考え方だと思っております。

    そういう意味では尖閣諸島や竹島の問題に関しても
    いつの時代の線を使うかという議論そのものが定量的ではないと思うのです。
    これらの島には地下資源や水産資源などがどの程度存在していて
    そこから得られる利益を歴史的に見て各国が何%ずつの取り分にするのか
    そういう観点で議論を戦わせるなら前向きだと思うのですが
    島そのものが誰のものかというような01の議論しかされていないのが
    残念でなりません。
    そもそも地球上に元々どこかの国のものだった土地など存在するのでしょうか?
    このような短いスパンでの考え方が多くの問題を生み出している気がしております。

    意見が同じか違うかというような01のデジタル発想ではなく
    どの程度違うかということを話し合って妥協点を探るアナログ発想こそ
    今の時代に求められている考え方だと思いますがいかがでしょうか?
    堀社長が書かれている「強さ」とはそのようなアナログなプロセスの中で
    自国の取り分や原発の稼働率を正当に主張し
    安定感のある国づくりをすることであると解釈しましたが
    それでよいのでしょうか?

    駄文かつ長文をお許し下さい。
    失礼いたします。

    投稿者: 五十嵐圭日子(男)

  • 全く同感です。前回のレポートで反対意見の人からの嫌がらせにも良く耐えて頑張った事に敬意を表します。今回の意見では2点に集約されると思います。一つは外交・安全保障問題、二つは原発問題です。前者については、民主党政権の外交無策(loopy Hatoyama)からでした。
    2010年の中国漁船衝突問題からはじまり、中国の尖閣、韓国大統領の発言に至ったと思います。これについては、政治家の発信が少なかったのも事実です。最近自民党総裁選挙で安倍、石破両氏が争点にするかもしれません。
    戦後の教育で国民に領土問題の大切さ・国益の大切さを子供達に教えて来なかったツケ(発信が少ない)が回って来たこととも無縁では無いと思います。日教組による平和(事なかれ)教育もあります。国民の中には8月31日の野田首相の記者会見(領土問題)で初めて、竹島、尖閣、北方領土問題を知った国民が多かったかとも思います。これからは政府が毎年このような事を発信していく必要があると思います。
    自国の領土を守ることは、国家として基本的な事です。国家の使命は「国民の命と財産を守る」事ですから。対象国とは経済問題で少々のトラブルや損失などがあるかも知れません。それらより、国家の使命(経営で言えば理念・哲学)が大切です。諸外国は見ているでしょう。
    それには領土を守る、「警備体制」も必要でしょう。憲法改正が急務になって来ています。来るべき総選挙は「憲法改正」も争点にすべきでしょう。取り合えず、安倍内閣が決めた改正条件「2/3を1/2」から始めることが大事と思います。
    後者については、民主党の原発ゼロ政策は「選挙対策」以外の何ものでもありません。原発再稼働の環境整備が大切と思います。
    ドイツでは風力発電買い取り価格が高すぎて、電気料金アップとなり問題になっています。外国での原発稼働国の稼働実態や安全対策の不備や安定供給の課題、日本の高い原発技術や核廃棄物処理能力への貢献、産業の空洞化問題等、一時の感情論に左右されず、冷静に、安全対策を講じた後で再稼働をすべきでしょう。避難された福島の人達は本当に気の毒です。
    二度とこのような事態が発生しないように、規制委員会や規制庁が頑張る時です。以前と異なり国民は見ています。
    電力会社のガバナンスの悪さが原発問題に拍車をかけました。原発反対者は「ガバナンスの悪さ」と「原発再稼働」を一緒にして反対しているようです。
    電力会社の課題~地域独占・発電から配電までの一体経営・行き過ぎたオール電化等、甘い経営~は改善を要します。しかし、原発は資源のない日本にとって大切な資源です。エネルギー自給率が4%と言われる日本で、原発による再生エネルギーを考慮すれば、18%の自給率になると言われています。これらを冷静に国民的議論にしていくべきと思います。10万人デモや脱原発50%のアンケートは多くのサイレント・マジョリティーでは無いと思います。これからも頑張って発信してください。

    投稿者: Mr KEN

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