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2016年5月24日 (火)

日本人・アジア人・地球人 茨城ロボッツ誕生!日本一を目指す

※この記事は日経産業新聞で2016年5月13日に掲載されたものです。
日本経済新聞社の許諾の元、転載しています。

「ふるさとの茨城・水戸に恩返ししたい。何とか盛り上げる方法はないだろうか」。そう考えて、「水戸どまんなか再生プロジェクト」を立ち上げたことは、このコラムで以前紹介したとおりだ。その会合で縁ができて、僕は4月に水戸を本拠とするプロバスケットボールチーム「茨城ロボッツ」のオーナーになった。

茨城ロボッツは2016年秋からバスケットボールの「Bリーグ2部」に参戦する。ロボッツを運営する企業の第三者割当増資を引き受けてオーナーとなり、非常勤取締役にも就いた。スポーツによる街おこしの試みが始まる。

きっかけは、日本バスケットボール協会の川淵三郎会長との年初の出会いだ。川淵さんはサッカー、Jリーグ誕生時の初代チェアマンで、日本全国にプロサッカーチームを根付かせた立役者だ。その川淵さんが進める日本バスケの改革話に引き込まれた。

日本のバスケ界は企業チーム主体のナショナルリーグ(NBL)と、完全プロのTKbjリーグがいがみ合っていた。国際バスケットボール連盟(FIBA)が業を煮やして、日本を世界大会から締め出すという前代未聞の決定をした。それでも解決の糸口が見いだせなかった。

そこに改革を託されたのが川淵さんだ。明確なビジョンと強いリーダーシップを発揮、参加する人々に方向性を与え、Bリーグという形での業界再編に道筋を付けた。感銘を受けた。

印象深かったのが、川淵さんが「Jリーグの鹿島アントラーズの成功事例をバスケでも踏襲したい」と話していたことだ。アントラーズが本拠地を置く茨城県鹿嶋市は人口が10万人に満たない。大都市からも遠い地域であるにもかかわらず、アントラーズはJ1トップ級の観客動員数を誇り、高い成績を残し、街おこしにも成功している。川淵さんは「Bリーグでも同様の成功ができる」と言うのだ。

川淵さんの話で興奮さめやらなかった時期に、僕が発起人となった「水戸どまんなか再生プロジェクト」の縁で、ロボッツ代表の山谷拓志氏に出会った。プロバスケを通じて、ふるさと水戸・茨城の振興の一助になればと、即座に出資を決めた。ロボッツもぜひ、アントラーズに続きたい。

バスケには縁を感じていた。妻と長男、次男はいずれも中学高校とバスケ部で心身を鍛えていた。僕の兄夫婦もバスケ部出身だ。僕もオーストラリア留学中に高校代表選手としてバスケのリーグ戦に参戦していた。米国のハーバード大学経営大学院に留学していたとき、忙しい勉強の合間に米プロバスケットボール協会(NBA)の強豪チーム、ボストン・セルティクスの試合をよく見に行っていた。

バスケによる街おこしに夢が膨らむが、チームの現状は厳しい。ロボッツは所属していたNBLで最下位の12位に沈んだ。ホーム最終節は首位のトヨタ自動車アルバルク東京との対戦。僕も応援に行ったが、大差で敗れた。平均入場者数もNBLで最下位、チームの財政も赤字という「三重苦」にさいなまれている。

まずは地道にファンを増やしていかなければならない。茨城県は県域民放テレビ局を持たないし、ラジオの県域FM局もない。街中でのチラシ配りやインターネットを活用したファンクラブづくりから始めたい。

日本にあるプロスポーツと言えば野球とサッカーだ。バスケも有名漫画「スラムダンク」の爆発的人気が示すように、エンターテインメントとしての面白さは折り紙つき。国内の競技人口も多い。今秋に始まるバスケの新リーグ、Bリーグは、日本のバスケ人気に新風を吹き込むのか。そして弱小チームであるロボッツが茨城県民を魅了できるのかが、楽しみだ。ファンを一人でも増やすべく、地道に一歩一歩行動をおこしたい。

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