「起業家の風景」においては、以下の3つのプリンシパルを掲げたい。
良く社説やコメントを読むと、「日本人は国際感覚に欠けている」、「日本の会社の問題点は・・」とか 「若者の最近の風潮は」という、知ったかぶりの批判的論調が目立つ。とても気が滅入るし、読んでいても楽しくない。「起業家の風景」では、こういう論調を一切とらずに、常に、ものごとをあるがままにとらえて、ポジティブな面にフォーカスをあてて、考えを組み立てていきたいと思う。
「政府は、減税すべきだ」、「自民党は、財政再建よりも金融システムの維持をすべきだ」などという政治家や評論家かぶれの政策提言的な論調はとらない。とても偉そうだし、実行を伴わない提言ほどむなしく感じるものは無い。「起業家の風景」では、常に身の回りの出来事から、身の丈にあった視点で、自らが実行できる範囲でメッセージを送りたい。
「起業家の風景」の連載を1998年に始めてから、まもなく12年の歳月が経とうとしている。今まで僕は、意見を言うのは控えてきた。なぜならば意見を言えば必ず反論され、批判を受けるからだ。誤解もされるし、その結果、敵もつくることになる。だが、もうそうは言っていられない。日本が抱える課題はかなり大きいにも拘らず、その課題・問題に対して前向きに取り組んでいる姿勢があまり見られないからだ。
僕の立場も変わりつつある。グロービスは、日本を代表する経営大学院になりつつあるし、僕自身、もう年齢的に50歳近くになる。当然、次の日本を背負う僕らの世代には、責任がある。これからは批判を気にせずに、 言うべきことを言い続けることとした。次代を担う起業家の一人として、積極的に意見を出していくことで、活発な議論のきっかけをつくりたいとも考えている。
そして臆することなく、気がついたことは必ず発言し、行動にも移していきたいと思う。まずは、身の回りからの一人ひとりの発信、行動である。そこから日本の改革が始まると信じている。